チカはあまり着ないミニスカートを着て、真っ赤な衣装を身に纏い少し小さめの包装された箱を持つ
そして前に自来也から貰った合鍵を使い自来也の家のドアをガチャリと開け、
ミニスカサンタの声は部屋に響き渡った
「師匠!メリークリスマスです!」
しかし、そこに自分の師の影はない
何故だろう、とチカは首を捻った
先日自来也には今日家にいっていいかと聞いて、きちんと許可まで貰ったのだ。
もしかして忘れてしまったのだろうか?
だが、聞いてから3日も経っていない。
自来也も記憶力はそんなに衰えていないはず・・・・
・・・・あぁ、そういうことか。
どうせ、いつもどおり綺麗なお姉さんの尻でも追いかけているのか。
何を浮かれていたんだ、自分は。
いつもいつも、修行の度に他(主に女の子)に気を取られて修行をちゃんと見て貰った覚えが無い。
一ヶ月ほど前に想いを告げ、両想いだと知ってはじめてのイベントだったから何かを見落としていた。
そう、アイツは、師は、天性のスケベ(おねーちゃん好き)なのだ。
そう言う事なら、こちらにも考えがある。
チカはニヤリと笑いその場を後にした
「メリクリです!先輩方♪」
にこりと笑うチカの前には上忍が四人と特別上忍が三人と中忍一人の総勢八人がいた
内二人いる女性はチカに絡み付いて離れない
「チカ〜、今日は随分かわいい格好してるじゃないの〜。」
「そうよ!襲われても知らないわよ!」
「一番心配なのはあんたよ、アンコ。」
「分からないわよ〜飢えた男もいるわけだし。」
言わずもがなこんな会話を本人を抱きしめながら繰広げているのはチカの先輩である
夕日紅 と みたらしアンコ に他ならない
二人して襲われると不吉なことを言ったかと思うと紅はアンコを見て苦笑を漏らす
するとアンコは
“ガイは平気かもだけど、ほら〜、カカシとゲンマは元からタラシだしぃ、普段おとなしいのが一気に急変するって言うからイルカも危ないかもだよ〜。”
とまたも不吉な事をいいケラケラと笑い出した
ちなみにここにいるのは上忍はカカシ・アスマ・ガイ・紅、特別上忍はゲンマ・イビキ・アンコ、中忍がイルカである
アスマとイビキは自分たちで粛清するとして・・・となんとも生々しいことを言っている
「ガッハッハ!何が平気なのだ?おぉ!チカサンタクロースになったのかっ!!似合っているぞ!」
「ちょ、それ酷くネ?」
「俺も不本意なんだが。」
「・・・・・///」
皆その会話に三者三様の反応を示す
ガイは意味を理解していないし、カカシとゲンマは不満そうな声を上げながらも自分でも分かっているのかそこまで強くは言い返さない
イルカは何も言わずに頬を染めているし、アスマとイビキは“粛清”と聞いて顔が青くなっている
「・・・ふっ。」
なんともいえない状況にチカは吹き出した
あれから何時間たったのだろうか
皆酔いつぶれてしまい、酔っていなかったアスマとイビキは収集のつかなくなった紅とアンコをそれぞれ送っていくと無理やり酒を取り、居酒屋から出て行った
そして残ったのはなんだか分からないことを言っているいる男性陣とチカである
「チカ〜結婚してくれよ〜。」
「何いってんの、ゲンマ!チカちゃんは俺のデショ!!!」
「何言ってるんですか、あんたらいい年なんだからふざけないで下さい。チカは俺のです。」
あの、どれも違うんですけど。
そして何さらっとプロポーズしてんですかっ、ゲンマさん!?
しかも、イルカさんから黒い気配が漂っているのは気のせいですかっ!
気のせいだといって!!!
「ガイ先輩助け・・・・」
助けになってくれそうな唯一の人は酒におぼれて「カカシ、かくごぉ!」と寝言をつぶやいていました・・・・。
どうしよう、この状況危ない気がする。
とっても危ない気がする。
チカはゲンマに抱きしめられ、カカシに引っ張られ、それを見ているイルカの目が異常に怖いことになっていることに気がついていた
その時居酒屋のドアがガラガラと音をたてた
そして走るように駆け込んできたのは自来也
「・・・っ、親父!チカは来てねェかっ!?」
自来也の声が店内に響いたかと思うと、チカは声を上げ自来也に助けを求めた
「師匠〜ここです。助けてください。」
「なっ、お前何やっとるんだ!!!」
「皆で飲んでたら酔っちゃったみたいで〜絡まれてるんです。助けてください〜。」
「お前は・・・」と言いながら、自来也がゲンマとカカシを引き剥がそうとすると、二人は不満の声を上げる
「自来也様、こいつは俺のです。とらないで下さいよ〜。」
「だから、ゲンマお前のじゃないの!俺のだってば!!!」
それが聞こえた自来也は力強く引き剥がし、チカを自分の腕の中に閉じ込めると
「誰がお前らなんかにやるかっ!チカはもうすでにワシのものになったつ〜の!」
と言ってチカの唇を奪った
「・・・んぅ!?ちょ、まっ・・・・ふぁ・・んん・・・・。」
チカが止めようと開いた口に自来也は自分の舌をねじ込むとチカの舌を絡めとる
歯列をなぞるような自来也の口づけにチカは初めは驚くがそれに答えようと必死に頑張っている
長い長い口付けが終わると、チカと自来也は銀糸でつながれ二人で笑っている
それを見ていた酔っ払い三人組は呆然とただただ立ち尽くすしかなかった
家に帰り、自来也と話をする
「なんで、家で待っていなかった。」
「だって、また遊郭にでも行ってると思ったら嫌だったんだもん。自来也こそなんで、家にいなかったの?」
「それはだな・・・・・あぁ・・なんだ・・・・その・・・」
自来也は軽く頬を染め
「お前のクリスマスプレゼントが決まらなくてのぉ・・・・」
それを言われたチカは真っ赤になって自来也に抱きついた
こんなクリスマスもいいよね
次の日流れた噂によって彼女のいない忍者たちの大半が使い物にならなくなったのをチカは知らない
===あとがき===
メリクリです!
クリスマスなのでそれのお話を。
楽しんでいただけたでしょうか?
逆ハーで自来也夢なんですけど、超長いです(笑)
書いててきつかった。
他のクリスマス夢も書くのでよろしくです!