波の国4
マコトたちはナルトの手当ても終わり、船で橋のすぐ傍までやってきていた
濃い霧が辺りを覆いつくし、一寸先も見えない白い世界をつくり上げていたのだった
すぐ傍まで来たところでやっと橋が見え、ナルトが声をあげる
「うっひょー!でっけぇー!」
ナルトの傍に居たマコトが「しー」と指を口の傍まで持っていって騒ぐのを止めさせる
まぁ、ナルト以外が静かになったのは、その仕草をするマコトに見ほれて顔を赤くしていたからなのだが
マコトはといえば、船に乗る前にタズナが話していたガトーという男の事が気にかかっていた
波の国の地形を利用し、一儲けしようとしているまぁ言うなればただの小悪党
どんな汚いことをするといっても、そんな奴にマコトが気を揉むことはあまりない
しかし、どうしても今回だけは気にかかるのだ
「(人殺しの匂いがする・・・。暗い忍の匂い・・・。鼻の先が言っている・・。)」
人殺しの匂い。それは、今までに暗部として培ってきたものが知らせる独特の鉄臭い匂い
そして、自分にも染み込んでいるであろう忌々しい匂いだ
洗っても、落ちることの無いその匂いは、同じ穴の狢にしか分からない匂いであろう
波の国についてから、どうしてもそんな匂いが鼻に付くのだ
周りの人間に悟られない程少しだけマコトは眉間に皺を寄せた
そうしている間にも船は岸についた
船を漕いでいたタズナの知り合いは一言言うと立ち去り、ナルトたちも歩みだす
ナルトはサスケにいいところを取られてたまるかと始終キョロキョロしながら歩いていたが、「そこかぁ!」と言うと手裏剣を投げた
が、そこには何もいず、あるのは沈黙ばかりなり
かっこつけようとするナルトにマコトは呆れつつもナルトにチョップを食らわせ怒る
「こら!なんも居ないとこに投げないの!!!」
「いってぇーってばよ!マコト!」
そんな会話をしながらもナルトはまだ諦めていなかったらしく、もういっとう投げる
そこに居たのは野ウサギだった
その色を見たマコトは誰にもきづかれないように近くの草むらに入ると影分身を作り
影分身を自分のもといた場所にもどすと自分はみを隠すように草むらに消える
そう、誰にも気が付かれない様に
次の瞬間カカシが伏せろと言うと、何処からとも無く首切り包丁がとんできた
その上に乗った忍びにマコトは眉をよせる
「(人殺しの匂いはこいつか・・・・。)」
カカシに0.何秒の間にアイコンタクトを送り、参戦しないことを教え、演技を続けるようにマコトの分身はナルトの横に立った