Dream | ナノ

嘘吐きは嫌いよっ!





『土御門ってさー、』
「なんだにゃー?」

『そう!それだよそれっ!!!』




「は?」

土御門はとぼけた顔で疑問符を頭上に出した。
まあ無理もない。マコトの言った事には主語が無く、全くもって意味不明なのだから。

「何が"それ"だにゃー?」
『だから、それだってば』
「・・・・・・」

流石の土御門も呆れるばかりだ。

『だってさ、その口調の人はなかなか居ないし、何でかなあって』
「いや、何がなんで?」
『土御門意味分かんなーい』
「マコトに言われたくないにゃーっ!!」

キシャアア!と本物の猫のように威嚇する土御門。
お前、そんなに猫語を馬鹿にされるのが嫌だったのか・・・。新たな発見、でも嬉しくない。

『だーかーらーーー、』
「〜〜〜ッ!!」

そろそろ土御門も限界なのだろうか。サングラスが小刻みに揺れている。

『何でそんな猫語使うのかなぁーって』
「・・・そりゃあ、」

と、そこで口を噤んだ土御門。
マコトは期待を(少し)込めて聞いてみた。

『私にウケるように?』
「Σブフゥ!!?」
『うわっ汚いよ!!』
「ごごっごめんにゃーっ」

慌てすぎな土御門。
飲みかけのコーラが零れて服に染みてしまったようだ。慌ててウェットティッシュで拭きはじめた。

『で、そうなのそうでないの?』
「う"っ・・・
(これはっ伝説の"お前の為に決まってるじゃないかって言うと有難うダーリン★なんて返され挙句の果てに熱いキッスを送られる"というイベントなのか!?ももももしそうだったら俺は何て言えば・・・!!!)」
『・・・・・・・・・・・?』

ダラダラダラ、と汗を流しまくる土御門。アイツ今日家帰ったら絶叫物だぜ。

「そっ・・・」
『そ?』

「そう・・・デス」
『えっ本当にっ!?』
「本当だぜぃ」
『へーーっうわーっ』

オイこら、このシスコンで彼女コンがっデレてんじゃねェよ!

『でも、さ・・・』
「何だにゃー?」

マコトに喜ばれたからか、得意げに話す土御門。うざい。
鼻の下伸びてるぞ、だらしねェ。

『私ね、』
「??」

そうだ、言っちまえマコト。
うざったらしいそのグラサン野郎を精神的に追い詰めるんだ!


『猫より犬の方が好きなんだけどなっ!!』




!


土御門、お前ェ・・・

馬鹿だろ。


一方通行は、部屋の隅で泣いている土御門に向かって吐き捨てた。