新人
やっとこの日がやってきた。
八番隊隊士になる記念すべき日
「かわいくね?あの子。」
「めっちゃかわいい。」
「後で声かけようかな。」
マコトの周りではそんなことがはなされていた。
だがそんな事に気がつくことなど今のマコトには出来なかった。
なぜなら、マコトには見えていなかった。
「かっこいい・・・・。この隊になれたんだ。」
マコトの目にはダランとしている隊長と、それを叱っている副隊長だけだった。
でも、一緒に八番隊配属になった友人の##name_3##に声をかけられて我に返った。
「・・・・マコト?どうしたの?」
「んっ、あぁなんでもないよ少しボーっとしちゃっただけ。」
「そっか。あっ、話終わったみたい。今日は仕事ないから食堂でご飯食べて帰ろう?」
マコトと##name_3##は2人で食堂に行ってご飯を食べていた。
「マコトてさ、京楽隊長のどこを好きなの?」
「うーん。話した事ないから良く分からないけど、優しそうだったから。そこかな?」
「こんなかわいい子にそんな事言われたら、おじさん照れちゃうよ?」
「きょっ、京楽隊長!?」
「あっ、京楽隊長お初にお目にかかります。八番隊隊士になりました高坂マコトといいます。これからよろしくおねがいします。」
京楽の出現に驚いたのは意外な事に好きだと言っていたマコトではなく、それを聞いていた##name_3##の方だった。
しかもマコトは慌てた様子もなく自己紹介をしたのだ。
さすがの京楽も少し驚いた顔をして
「隊長の京楽春水です。よろしく、君おもしろいねぇ。でも、初めてじゃないんだよ?スズランちゃん。」
「スズラン?」
「この間町で見かけたときに名前が分からなかったから、その時マコトちゃんにつけたあだ名みたいなものだよ。」
「・・・・あの時見てたのは私だけじゃなかったんですね。」
その声は小さかったので京楽には聞こえなかったようだが、2人はニコリと笑って言葉を交わした。
「これからよろしく(お願いします)。」
スズランと男は嬉しそうに笑った。