禁術の巻物
「あのナルトが禁術の巻物を盗み出したらしいぞ!!」
「あいつめ、ついに本性あらわしやがったか!!」
その日里の忍び達の間はその話でもちきりだった。
そしてその話を聞き趣味の悪い笑みを浮かべる者が一人、その話を聞いて顔を歪める者が三人いた。
前者の一人はアカデミーの教師であるミズキ、
そして後者の三人はマコト・イルカ・火影である。
「ちっ、こう言うことか」
偶然にその話を聞いたマコトは顔を歪めた。
あの時の違和感の正体はこれだったのだ。敵である者に普通自分を知るものはいないだがあの夜確かに敵はこう言ったのだ。
『こ、木の葉の里の殺戮者黒猫、だと!!』
そんな事普通ならばあり得ない。
マコトは暗部の仕事でしくじった事などない。つまり、黒猫の特徴を黒い猫の面以外のことまで調べることが出来る人物、今回の黒幕の関係者である可能性が高い。
おそらく今回の黒幕はナル兄を利用し、後で罪を被せてナル兄のことを殺すつもりなのだろう。
「ナル兄を殺させなんかしない」
そう小さな声で呟いて森へと走る。
感情が高ぶっているせいか、身体の中の九尾達が引き合っているのだ。
シュッ シュッ
「(ナル兄、ナル兄、ナル兄)」
その時、頭の中がナルトで一杯になっているマコトのもとに声が届く。
「ナルトォ、お前の中には九尾の妖弧がいるんだよォ」
聞きなれたアカデミー教師の声。
その声が、下衆に笑う。
それが聞こえた瞬間マコトの中の何かが音を立てて崩れた。
自分でもチャクラがピリピリと肌を焼いていくのが分かる。
それを抑えようと胸をかきむしるようにして押さえ傍らの木に手をつく。
その瞬間、周りの景色が一変した。
否、正確に言えばミズキを囲む景色が。
「ぐ・・・・っ!」
マコトは急に襲った胸の痛みで意識を手放した。
そして起きたときには、枕元に額宛てベットの横にはナルト・イルカ・火影と言う変な光景に出くわすこととなるである。