黒猫の仕事
シュッ
「お呼びでしょうか火影様」
その声と体格はとても幼い女の子の物だった。
だがその女の子の話し方はとても大人びていて、着ている服も忍のエリートが着る暗部服、猫の面を付けて頭を下げている女の子はかなり異様である。
そんな異様な光景の中白い髭を生やしたおじいさんが口を開いた。
「おお、マコト来たか。」
「火影様、暗部服を着ている時はその名で呼ばぬ様に申したではないですか。」
それを言うと火影は悲しそうにあやまる。
「すまない。」
「で、ご用件はなんでしょう?」
「いつもと同じだ。本当にいつもすまない・・・。黒猫にばかり重荷を・・・」
火影があやまるとマコトは猫の面の下で顔を歪める。
「火影様があやまる事では御座いませんよ。これも、ナル兄と里を守るためです。」
「よろしくたのむ。」
その一言を聞いてマコトは瞬身で消える。
シュッ シュッ
木と木の間を縫う様に進むマコト
「見つけた。」
人影が十人ほど見える。マコトはその中の一人の首筋へとクナイをつき立て、目にも止まらぬ速さで頚動脈を切る。
「こ、木の葉の里の殺戮者、黒猫・・だと!?」
一人が怯えた様に言う。だが、仲間にはその声は届かなかった。なぜなら、それを呟いた瞬間仲間は地面に倒れ死んでしまったから。
そして、次の瞬間にはその言葉を発した本人も死んでいたから。
その時なぜかマコトは違和感を感じた。
「終わった。」
マコトは淡々と呟く。その時、面の下の顔は兄のナルトやイルカには見せることのない、怖いくらいの無表情であった。
そしてマコトは小さな声で呟く
「ナル兄は、あたしが守るから。」
その声はとても悲しそうだった。
その時マコトはきづけなかった、この暗部服をみて黒猫という言葉が出てくる事がおかしい事に。
黒い面は確かに有名で黒猫以外あり得ない特殊な物ではあるが
マコトは敵の真上から降り立ったのだ。
暗部服のほかの部分が見えていても面が見える前に殺していたはずだ。
それが、何を意味しているのか―