過去拍手 冬
「さっさと起きて下さいよ師匠ー!」
「んー...」
「だぁー!寝ちゃダメですってばぁ!」
季節は冬
確かに布団が恋しい季節ではあるけれど
眠い目を擦りながらわざわさ師匠を起こしに来た私としては
一向に起きる気配のない師匠は少し困る存在だ
「私だって寒いし眠いのにー!起こせって言うから起こしてるんじゃないですか!起きてー!」
師匠の頬を軽くペシペシと叩く
それと殆ど同時
もぞっと動いた師匠が次の瞬間には私を抱き締めていて
「うるさくって寝てられんわ…あほぅ」
「師匠が起こせって言ったんじゃないですか!」
「そんなこといったかのぉ?取り敢えず二度寝だ、二度寝。お前も寝るぞ。」
理不尽なそれに少しいらっとして師匠の顔を見上げる
もうすでに寝る体勢に入っている師匠の顔は思ったよりもかっこよくてどきっとくる
はぁ...と自然とため息が出た
腕の力は強すぎて抜け出すことは叶わなそうだと諦めてしまうのも時間の問題なのだった
二度寝なう。