「は?」
「…チームを抜けるからって言ったのよ」
「何でだよ!」
「いつまでもナツに――ナツ達に頼るのも、ね。あたし強くなりたいの」
「何、言って、んだ」
「守られたままじゃ、いつまでも成長しないから」
「……」
「だから、その仕事はリサーナでも誘って行きなさいよ。あたしは……一緒には行けない」
何も言わないナツに、じゃあね、と声を掛けて立ち去るはずだった、のに。
強く掴まれた手首が痛い。
あんなにも怒りを顕にしておきながらも、ぶつけられた感情は全く反対のもので。
抱きしめられた時の力強さが、無駄に熱いナツの体温が、その全てが愛しかった。けど、もう遅い。
今更、どうして――……
辿り着いたのは見馴れた公園だった。ひっそりと佇む木に体を預けると、重力に逆らう事なく、しゃがみこんだ。
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by トム
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