浅き夢見じ
春になってすっかり暖かくなった。縁側に座って満開に咲き誇る桜の花をじっと眺めていると、愛しい足音がパタパタと聞こえ、その足音の方を見上げる。
「晋作さん!」
「おう、トモ」
「おうじゃないですよ!」
また無茶して!と怒るトモの顔をこの目で見れるのも、堂々と咲き誇った桜を見れるのもあとどれくらいだろうか。
「まぁお前も座れ!俺と一緒に居たいだろう?」
「駄目!晋作さんはお布団に戻って下さい」
「良いから…ほらっ!」
トモを見上げながら自分の隣をバンバンと叩き座るように促すと、渋々と隣に座り、俺の肩に頭を乗せてきた。
トモの髪から甘い匂いがする。
「…ちょっとだけだからね?」
「ああ…」
少しでも無茶をするとトモは俺に構ってくれる、それが嬉しくてついついちょっと無茶をしてしまう。でもそんなことを言ったらこいつはきっと怒るだろう、なんて考えていたらふっと笑えてきた。
「どうしたの?」
「いや…、なんでもない」
この桜が散ってしまう頃には俺の命も散ってしまうだろう。だけど残された短い命を、許された今をトモを愛するために使いたい。誰よりも大切なトモのために…。
不思議そうな顔をするトモの頬を優しく包み接吻する。唇を離し頬を桜色に染めるトモをぎゅっと抱きしめる。
「…愛してる、トモ」
願わくば、この浅き夢が永遠に続いて欲しい…。そう思いながらもう一度トモの口を塞いだ。
2011.01.31
相互リンクお礼で
styleのトモ様へ捧げます
ご期待に応える事が
出来たでしょうか…(;_;)
同じ晋作さん好きという事で
これからも仲良くして下さい!
よろしくお願いします♪
Hanauta* 詩より