4スレSS


 スレッタの頬に柔らかな手が当てられた。小麦色の健康的な肌の上に、少し色白の日を避けてきたような色の手が。スレッタはきょとりとその添えられた手の意味を考えたが、彼の表情を見れば意味を聞くのも野暮に感じた。
 エランの瞳には煌々と燃える彗星が見えた。赤く、赤く、何物をも薙ぎ倒さんとする白い機体と、それを操る無垢な少女が。何も知らないのだろう。何も教えられなかったのだろう。それが幸か不幸か、彼女の強さとなっている。そんな彼女に救われた。
 手を伸ばす。ガンダムに乗っていないスレッタはただの少女だった。友に恵まれ、家族の愛を受け、とても幸せそうな。/4号スレ


真っ赤な顔をしたエランさんはベッドの上にちょこんと正座していた。釣られるように私の顔にも熱が集まり、部屋に居づらくなっていく。「わ、私、飲み物買ってきま」「行っちゃうの」ふいと顔を逸らして拗ねるように溢れた彼の言葉。私、あなたに弱すぎる。/4スレ


エランさんが大好き。それを自覚したのはいつだったかわからない。会えるかもわからないパーティへの参加をせがんだときか、彼ではない彼に自分の知るエランさんの話を聞かせてもらったときか。兎にも角にもエランさんのことを考えていると心はぽかぽかとして、次に会える日を楽しみにしてしまったものだった。/4スレ


エランさん、一生に逃げてくれませんか。

予想もできなかったスレッタの言葉にエランは思わず振り返った。窓の外を見つめる青い瞳。鳥かごに入れていたはずの小鳥は、弾みで開いた入り口から逃げている。
地球暮らしn日目、スレッタとエランの逃避行が始まった。/4スレ


恋人繋ぎというやつをスレッタ・マーキュリーとした。そうなぜか俺に惚気てくる強化人士4号。俺がもうやめろという目で見ていることを気づいていないのか無視しているのか。ふっと自慢げな顔。こいつは無視してそうだな。そういうヤツだし。まぁなんだ、幸せそうでなによりだ。/4スレ+様


終幕がやってくる。誰も彼もが幸せを願い立ち向かうエンディング。懸命に光を見つめるみんなの後ろでスレッタはきょろきょろと辺りを見回した。スレッタに手を差し伸べてくれた優しい彼の姿がない。初恋の蕾。もう一度花開くことを夢見て芳しく香っている。彼がいなくては、この物語は納得のいく終わりになどならない。
俯いたスレッタが再び顔を上げた時、その姿は夜を供にした黒いドレスへと変わってゆく。書き換えよう。指先一つで世界は始まりへ。本を捲る音が静かに響いた。/4スレ

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