07
「…僕は、俺≠ヘ、ずっと見てきた」
「え?」
…ボクと至近距離に居る首無の手が動き、
ボクの頬をその手でそっと包む。
「いつも楓は自分の本心を隠して……
…1人でなんでも解決しようとして……
…それで1人で傷つく………」
「………え………!?」
…びくりと身体がはねるボク。
なんで首無はこうもボクの事を
理解してくれてるんだ!?
だってつい最近までは
全然仲良くもなかったのに………、
「…楓は気付いてない………」
「……っ!?」
ボクの唇をつつつとなぞる首無。
面白い様にボクの背中はびくびくと震えた。
「……毛倡妓の誘いで
楓が奴良組に入ったあの時から、
僕が楓に抱いているこの気持ち……、」
近づく首無の整った顔。
「…好きなんだ、楓が。
楓がなんと言おうが、
もう、この気持ちは抑えられない………」
…そう言って首無はボクの唇に
小さなキスを落とした
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