05













「…ん………」


ゆるゆると目を開けるボク。

あれ?ボク何してたんだっけ………。


ずきっ。


「痛っ………」


…よく見ると、ボクの体は包帯だらけだった。


「……ボク………、」


生きてる…………。


がらりと襖が開く。

その音は、

ボクしか居ない小さな部屋に、よく響いた。


「…おっ起きたの!?楓!」

「……え?」


水の入った入れ物(?)とタオルを持って

部屋に入ってきたのは、



首無だった。




「…な……んで……!?」


目を見開くボク。

そしてそれと同時に赤くなる顔。


だって首無とは殆ど話した事ないんだよ!?

特別仲がいいって訳じゃないのに、

なのになんで首無がここに…………!?


「大丈夫?傷の方は……」

「あ………」


……正直言っちゃうと、かなり痛い。

相当深く刀が刺さったんだなーなんて

頭の隅で思いながら、

目の前に居る首無にむけて言葉を紡いだ。


「……別に、大丈夫」


そう言うボク


「……嘘つくんじゃないよ、楓」


むぎゅ。


「え、」


頬を両手で伸ばされるボク。


「っいっ

 いひゃいいひゃいいひゃいいひゃいっ!!」

「楓は嘘をつく時必ず右下を見てる。

 今も右下を見てたよ」

「……え……!?」


少しビックリするボク。


なんで首無はボク自信でも気付かなかった癖を

こうも見抜いてるんだ……?


「…鴆様によると、

 一ヶ月は絶対安静に! ら、しいよ、楓」


鴆様の真似をする首。


「……ぷぷっ」


それが面白くて思わず笑うボク。


「…よかった」

「え?」








「楓が笑ってくれて」








そう言って、首無も

ボクの見た事のない位の

優しい笑みを浮かべる。





「……っ………!」



顔が一気に真っ赤になるボク。

ああ、

今日はなんだか首無に

ボクのテンポを狂わさられてばっかだ……。



「リクオ様とつららが嘆いてたよ」

「え?」

「つららは

 楓を1人で行かせた事を嘆いていたし、

 リクオ様は

 自分の下僕が傷ついたのは

 僕がしっかりしてないからだー

 とか仰ってたし」


苦笑する首無。


「なのでリクオ様が、

 側近である僕に

 楓の看病をする様にと仰ったんだ。

 だからこれから一ヶ月、

 僕が楓の世話をする事になったんだ!

 だからよろしくね、楓」


そう言って悪気もなさそうにクスリと笑う首無。


「……え、



 えぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!??」




 

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