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「…貴女を、抱きたい。

 貴女を、」




―――僕の手で1人の‘女’にしたいんだ。




…そう貴女に言うと、

貴女は顔を真っ赤にさせながら

え…?っと呟いた。


だってそうだろう。

思いが通じて、嬉しくて、

貴女とキスして、

貴女の涙目を見て、


…興奮しない男がどこに居る?


そして僕達が居るのは布団の敷かれた部屋。


僕のもろい理性を崩すには

十分の場所と環境だった。



当然拒絶されるだろうと思ったが、

でも貴女が言った言葉、

それはー…………












「…首無になら………、

 ………抱かれてもいいよ………」

















蚊のなく様な小さな声だったが、

貴女は確かにそう呟いた。










「…楓……!?」

「あっでっでも………!」


顔を真っ赤にしながら、

僕の下に居る楓はこう言った。


「…ボク、そういうの、

 はっ初めてだから、

 その、

 優しくしてほしいっていうかなんていうか………、」

「……楓、」


……もう可愛過ぎだっ!

そう心の中で叫んだ僕は、

今まで自分の中に蓄えてきた愛を、

叶う事のないと知りながらも

恋焦がれ続けたこの気持ちを、

貴女に全てぶつけた。




――そう、それはある日の、

僕達にとって一生忘れる事のない

夜の出来事だった。




 

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