10



「………え………?


 っえぇぇぇぇぇぇぇ!?

 くっ首無っ!

 なっ何やって…………!?」

「…何って………」


…そう言って唇をペロリと舐める首無。


「……‘キス’ですよ」

「っ……!!!」


…顔から火が出るんじゃないかって思う位

顔が赤くなるボク。


「…楓……

 楓はどうなんの?

 僕の事が好きなの?それとも………、」


―――嫌いなの?


…そう言った首無は

すっごく悲しそうで、切なそうで、


首無のさっきの言葉は

嘘なんかじゃなくって

本当の言葉なんだって改めて思った。


「……ボク……は……、」


……俯くボク。


「…楓……?」



「………き………」



「……え……?」





「…ボクもっ………

 ………好き…………!!!」





「……!!」

「…でも……

 …首無はボクと釣り合わない……

 …首無はかっこよくって誰からも好かれてて、

 無愛想で可愛くなくて男の子みたいなボクとは

 正反対………

 ……釣り合わないよぉ…………」


…あれ、なんか視界が霞む……。

……おかしいなぁ……。


「……泣かないで、楓……」

「……っだってぇ………!」


ぽろぽろと落ちて行く涙。


泣いたのは、何年ぶりだろ。

懐かしいな。


「……じゃあ、

 女の子らしくしてあるよ」

「…え?」






トンっ………。








…近くの布団に押し倒されるボク。

もうその時点で、

ボクには今起きている状況が冷静に判断できずに

思考回路はパンク状態だった。


「……く……びな………!?」

「…貴女を、抱きたい。

 貴女を、」











―――僕の手で1人の‘女’にしたいんだ。















「………え………!?」


 

[ 10/12 ]

[*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]



人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -