知念君とおひるね
暑い夏の日差しをさけて、日陰に寝転んだ。
上を向いたら透き通るような青。
周りを見渡せば、アカバナーの鮮やかな紅。
うん、なんか贅沢な気持ち。
「伊織、ここにいたんばぁ?」
「あー、寛君。探してくれてたの?」
「伊織は小さいからすぐにどっか行くさぁ。」
「寛君がおっきいんだよ。」
言いながら笑うと、寛君は寝転んでいる私の隣に腰かけた。
「寛君は寝ないの?あったかくて気持ちいいよ。」
寛君は何も言わずに微笑んで、私の頭を撫でてくれた。
私はその手を両手で捕まえた。
寛君の手は大きくて、ごつごつしてて、あったかくて、触れているとなんだか安心する。
「なに人の手捕まえて笑ってるんばぁよ。」
「寛君だって私の頭撫でて笑ってたよ。」
寛君は私が捕まえているのと反対の手で私の頭を撫でた。
「伊織のことしちゅんからしょうがないねー。」
「だったら私も、寛君のことが好きだから、笑っちゃうのしょうがないねー。」
私が笑いながらそう言うと、寛君は頭を撫でていた手をまぶたに移動させ、私の目を閉じさせた。
「、いいから、寝れー。」
「はーい、おやすみ。」
自分から言うのはいいのに、言われたら照れちゃうなんて、なんか可愛い。
でも、そんなとこも大好きなんだよね。
大好きな寛君の手の重みをまぶたの上に感じて、幸せな気持ちで眠りについた。