long | ナノ


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歩き疲れて、小屋の中の椅子に倒れこむように座った。なんかもう、いろいろ疲れた。

声が一緒だから、この男の子はたぶん、昨日絆創膏と湿布を置いて行った子なんだろう。

その子は椅子に座ると、私を安心させるように笑ってからゆっくり話し出した。

「この森な、俺の中学校の校舎裏にある森やねん。」

「学校、」

近くになにもない山奥かと思っていたから、学校があると聞いて、少し安心した。

そんな私を見て、おん、学校、と男の子は微笑んだ。

「ほんでな、その学校で昔から伝わっとるらしいちょっと噂があんねん。この森には誰も見つけられへん幻の小屋があるって。あんま噂とか詳しくないから、なんで幻の小屋って言われてんのかは知らんのやけどな。せやけど多分、その幻の小屋って、ここのことやと思うねん。」

幻の、小屋?…なんだろう、理解できなさすぎて、ちょっと頭痛い。

「明日、いろいろ小屋について聞いてくるから、それまで一先ず小屋で待っててや。」

その人は申し訳なさそうに微笑んで、そう言った。

この人、信用していいんだろうか。

人のよさそうな笑みをしてはいるけど、…。

明日また来るから、と帰っていくその人を見送って、扉に鍵をかけた。

考えてもわからないから、もう寝よう。

寝て起きたら、全部夢でした、とかなったらいいのに、なんて思った。


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