long | ナノ


もっと大好き1個


こないだの一氏先輩とのお笑い観劇デート楽しかったな、と思い出して、一人でにやけた。

一氏先輩に初めて私の想いが届いたあと、それだけでも舞い上がるくらい嬉しかったのに、一氏先輩が一緒にお笑い見に行こ、だなんて誘ってくれて、もう、嬉しいなんて言葉じゃ言い表せないくらいすっごく嬉しかった。

しかもしかも!たぶん小春先輩も来るんだろうな、って思ってたのに、小春先輩は来なくて、一氏先輩と私の二人だけだったんだ。

小春先輩は来ないんですか、って聞いたら、その方がお前喜ぶんちゃうかって思ったんやけど、ちゃうかった?なんてすごく自然に言われて、さらに心を奪われてしまたった。ナチュラルに嬉しいことをしてくれるあなたに胸キュンです、一氏先輩。

「神崎?お前何一人廊下でにやけてんねん。」

意識をこないだのデートから今に戻し顔をあげると、ちょっと楽しそうな顔をした一氏先輩が立っていた。

「一人でにやけて、あやしいやっちゃなー。」

「あやしくないですよ、一氏先輩!こないだのデートが嬉しくて嬉しくて、思い返してにやけてました!」

私がそう言うと、一氏先輩は、ちょっと驚いたような顔をしてから、すぐにふいっと横を向いた。あ、ちょっと顔赤い。

「あんくらい、また連れてったるわ。」

「ありがとうございます!嬉しいです。一氏先輩大好きです!」

私がいつものように大好きだと言うと、一氏先輩はちょっと顔を赤くさせたまま、眉を寄せて私を見た。

「なっ、お前はなんでそんな好き好き言うねん。」

そんなにすぐ言うから、俺も本気やてなかなか気づかなかってんで、と言う一氏先輩の言葉に、確かに一理あるな、と思った。

「でも、一氏先輩。私、一氏先輩に会うと、大好きっていう想いがどんどん溢れでてきて、ついつい伝えちゃうんです。それくらい、一氏先輩のこと、大好きなんです。」

だからね、本気ですよ、と言って笑うと、一氏先輩も、ふっと笑ってくれた。

「アホ、んなこともうわかっとるわ。」

「ふふ、そうですね。嬉しいです。」

「今日雨で部活ないねん。帰り時間あんねやったらどっか行くか?」

「いいんですか!?行きたいです、行きたいです!」

やった、またデートだ!と喜んでいると、一氏先輩はそんな私を見て、優しく笑っていた。

この笑顔の意味が、私の自惚れじゃなかったらいいのにな、なんて思った。

やっぱり、一氏先輩が大好きです。





四天∞企画

椿夢さんのリクエストで「一氏先輩が大好きな女の子の続編」でした。

リクエストありがとうございました!


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