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スピードスターもびっくり


「おはよう、神崎。」

「あ、おはよう、白石君。」

「3限の英語、小テストやけど覚えとった?」

「テストがあることは覚えてたんだけど、今の単元苦手で。」

「まだ時間あるから教えたろ。教科書出し。」

「あ、ありがとう。」

気がついたら、白石と神崎が仲よォなっとった。

今まではちょっと白石と話すとすぐに謙也君ーっちゅーて泣きついて来とったんにそれが無くなって、ちょっと寂しい気もするけど、まあ、白石も神崎も両方大好きな友達やから、二人が仲よォなるんは嬉しいな。

「そういえば、神崎、今日は髪くくっとるんやな。」

「え?うん、ちょっと朝、髪がまとまらなかったからくくってきたんだ。」

「へえ、いつもおろしとるから新鮮やな。なんかかわええ。」

「え、えっと、どうも?」

うん、もう一度言うけどな、二人が仲よォなってくれるんは嬉しいんやで。嬉しい嬉しい、嘘やない。

せやけど、白石、あいつ変わりすぎやろ!

今までやったら、はっ、自分の髪一つまともに扱えへんなんてほんまアホやな、とか言っとったやんけ!なんやねん、この態度変える早さ。スピードスターもびっくりやわ!

「はは、なんで疑問形やねん。で、どこあたりがわからへんの?」

「えっと、ここから、ここまで。(どうしよう、ほとんど全部やないか、って怒られそう!)」

「わー、綺麗にテスト範囲まんまわからへんねんなー。ま、大丈夫やで。俺がわかりやすぅ教えたるから。」

「あ、ありがとう、白石君!」

まあ、でも、神崎も白石も、二人とも楽しそうやから、ええか、なんて思ってちょっと笑った。





(「あ、謙也君笑ってる。なんか嬉しいことあったの?」)

(「アカンで神崎。謙也がわろてるときは大抵頭ん中やらしいことでいっぱいや。」)

(「なっ、白石ー!」)


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