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step6:小春に相談する


「アカン、ほんまアカン。もうアカン。アカンアカン。」

「もうユウ君、一体何時間そうやってんの?」

「アカンアカン。」

小春が、もうダメやこりゃって呟きながらため息をついたけど、俺は反応できへんかった。

嫌われた。

完璧に、嫌われた。

今までキツイ言い方とかしても、伊織は怖がったりも怒ったりもせず、気にしとらんみたいにただ笑ってくれとった。

でも、アカン。

さすがに今回はアカン。

もう嫌われてしもた。

「どないしよ、俺。」

「ユウ君、なんで伊織ちゃんが泣いたと思っとんの?」

小春が俺の前から俺の両肩を三回軽く叩いてから、口を開いた。

「なんでて、そりゃ・・・」

小春が好き、やからやろ?

せやのに小春の彼女になるなんてありえへんって俺が言ってしもたから、それでショック受けたんやろ。

それを口にしたくなくて、黙っていると、小春にため息をつかれた。

「ユウ君、言うとくけど、アタシと伊織ちゃんは乙女同士の友達だからね。」

「でも、伊織は小春のこと好きやって言うとった。」

「アタシも伊織ちゃんのこと好きよ。」

小春の言葉に驚いて、バッと顔をあげると、ユウ君はほんましゃーないなー、って顔をした小春と目があった。

「伊織ちゃん、好きよ。だって大事な友達やもの。」

「友達やから、好き?」

「伊織ちゃんも、アタシのこと、友達として好いてくれてるんやと思うで。」

友達?恋愛感情やない?

ほな、なんで伊織は泣いたんや?

「ユウ君は、伊織ちゃんのこと、好きやんな?」

「おう。」

「友達として?」

「・・・。」

「ほんなら、ちゃんと素直にならな。うまく言えんくてもええんよ。無理に優しくせんくてもええんよ。ただ、もうちょっと素直になってみ。」

「・・・俺、明日伊織に謝る。」

小春は、せやね、と言って優しく笑っていた。


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