2013/08/08 23:58
雷がすごいです。光ってからすぐに鳴り響いています。桑原桑原。
***
雷がなったときの白石君子ネタ
「雷やなー。」
「そうだね。うん、雷だ。」
「こわないん?」
「雨降って帰るのめんどくさいな、とかは思うけど、まあ、それくらいかな。」
「さよか。ほなら、俺部活行くわな。気ーつけて帰りや。」
「うん、行ってらっしゃーい。」
ガラ
「よし、白石、もう行ったな。」
もう取り繕う必要はない。早くかばんからイヤホンを出し、大音量で音楽を流そう。
でも、気が焦るせいか、うまく操作できず、音楽よりも先に雷鳴が私の耳を襲った。
「わああああ、やだあああ、雷だよ、雷。音でかいこわい、落ちる落ちるうう!」
雨降って帰るのめんどくさいとか、何かっこつけてんだ私。せめて人のいるうちにイヤホンだけでもつけておくべきだった。雷鳴に驚いたせいで、頼みの綱のイヤホンは、またかばんの中に落ちてしまった。もう、ものが多くて、どれだかわかんないよ。
そうこうしていると、また一段と大きな雷鳴が響いた。
「わあああ、もう、なんなんだよおおお!鳴らなくてもいいじゃんか、光だけで十分だよ、ほんと!」
「まー、光と音セットで雷やからしゃーないやろ。」
「しゃーなくないよおお!なんだよセットって。私は単品派なんです!ポテトは結構ですううう!」
「なるほど、本当に食べたいもんだけ頼むっちゅーこっちゃな。無駄のないいい選択やと思うで。」
今そんなとこにくいついて会話つなげなくてもいいから!と心の中でつっこんでから、ふと、一瞬我に返った。私、今、誰と話してるんだ。
まさか。いや、でも白石君はもう教室を出たはずだ。おそるおそる顔をあげると、雨に似つかわしくない爽やかな笑みをたたえた白石君が立っていた。
「どうしたん。そんな驚いた顔して。俺ゆーれーちゃうで。」
うん、本物の白石君だ。間違えようがない。私の醜態にどん引いてるんじゃないかと、おそるおそる顔色をうかがう。あれ、普通だ。もしかして、ばれてない?うん、きっとそうだ。さっきは雷鳴がすごかったから、私の醜態もきっと見られてない。よっしゃ。
「さ、一緒に帰ろか。」
「え、部活はどうしたの。」
「や、さすがに雨ひどすぎるから中止んなったわ。」
「そっか、うん。まあ、雨ひどいしね。」
「…くっ。」
会話の途中でいきなり、こらえきれなくなったような笑いをもらした白石君をいぶかしげに見つめると、楽しそうな白石君と目があった。こんな天気の中、なんでこんなに楽しそうなんだ。不思議だ。
「何か楽しいことあった?」
「楽しいっちゅーか、おもろいなー、と思って。」
「何が。」
「いや、まあ、なんかそんな感じや、うん。(あんだけ一人んときは取り乱すんに、誰か来たら平静を装うんやな。というか、ばっちし見られたんに、ばれてないってなんで思えるんやろう。アホかわええ。)」
「なんだかわからないけど、楽しそうでよかった。」
「おん、じゃ、一緒帰ろか。」
「うん。」
***
みたいな感じで、怖がってるの気づかれてないぜ、よっしゃな女の子と、全部気づいてる白石君とかおいしいと思います。あえて、ほんまはこわいんやろ、とかは聞かないで、こわいん隠してんのおもろいなー、なんて内心笑ってたらいい。
と、ここまで書いたところで、雷ずいぶん遠くなりました。そして、書いている間、集中するからほとんど雷聞こえませんでした。新たな雷鳴回避法ですね。また雷鳴ったら、別の人でも考えよーっと。