03
その後は雑談に入った。
雑談と言っても初対面もいるわけだし?
お互いに質問しあってばっかりだったけれど。
これから共に協力する以上。
友好を築く事はとても大切な事だからね。
彼らが帰ったら執事の中島がちょうど入れ代わりで来た。
執事がいきなり現れた事に驚いている。
生で執事なんて存在を見るなんて確かにないか。
僕はずいぶん見飽きた存在だ。
メイドも勿論の事。
生きている世界の差、か。
彼らが味わっている世界が僕にわからないように。
僕ぼ世界も彼らにはわからない。
想像はできるけれど。
中島は僕の所に来て身の回りの世話をしてくれる。
自活能力はなくはないけれどこれでもお嬢様だから。
そんな事をさせるわけにいかないらしい。
僕としても楽だからそのままにさせている。
利用できる物は利用しないともったいないだろ?
「お嬢様、何か良いことがございましたか?」
「解る?
うん、良いことはあったよ。
今日は友達が来たんだ。
実に充実とした一日だったよ。
それで色々とあって学校に行くから宜しくね。
といっても保健室登校だから。
あと隠しカメラ幾つか持って行きたいから明日の朝に持ってきて?
何、心配はいらない。
犯罪に使う気はないからね。
それとボイスレコーダー付きのネクタイピンを八個。
形は男子制服のネクタイピンと同じ形のを。
これは明日じゃなくていいけどなるべく早くしてくれると助かるな。
何に使うかは秘密。
そうだな……ちょっとしたゲームに使うんだよ。
ふむ、ゲームか。
我ながらいい表現かもしれないな。
ゲームはゲームでも推理物だ。
僕は安楽椅子型探偵が好きだな。
動き回るなんて性に合わない。
情報は楽に手に入れるものさ。
優秀な部下を使ってね。
さて、じゃあ明日の為に僕は寝るとしようか。
お休み、中島」
錠剤を一つ飲み込む。
「かしこまりました」
中島の返事を背中に聞きながら、僕はキングサイズのベットに倒れこみ強制的に訪れた眠気に身を委ねた。
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