01


僕の世界は暗く狭い世界だ。

なんて言えばなんとシリアスに聞こえる。
実際の所はカーテンが閉まっているせいで日が遮られた部屋で引きこもりをしているからだ。
しかも狭いと言っても僕の部屋は、と言うかマンションは死ぬ程広い。
かなり高い階で(もっと具体的にあげると三桁にのぼる)
エレベーターを出た瞬間に部屋でマンション一階分が自分の部屋。
それを二つ、この場合は二階分は僕の部屋だ。
しかも僕は一人暮らしだ。
狭いと言うのは行動範囲と言う事。
僕の家は所謂お金持ちなのでこのぐらいの贅沢をした所で全然問題なし。
学校は立海で私立だけれど家の権力を使って特別処置。
その代わりの対価として生徒会長してるけど。
引きこもりに生徒会長をやらせていいのかと思う。
生徒会長なんて普通の生徒にとってはいてもいなくても対して変わらない存在だとよく表しているよ。
不満の声なんか聞いた事はない。
その代わり有能な副会長が頑張っているのだからいいだろう。
なんともお疲れさま。ドンマイと僕は心から労ろう。
ひょいと近くにあるティースタンドからクッキーを摘み紅茶を口に運ぶ。
一応、良い所のお嬢様だから品とかは損なわない程度にリッラクスしながら。

ああ、ああ、ああ。

まちどおしいな。

後もう少ししたら僕の大好きな友人が僕の住処を訪れるだろう。
一人暮らしをしているけれど僕は基本的に人恋しい性格をしているんだ。
内線でご友人がいらっしゃいました、なんて連絡が来た時には思わず口角を上げた。

エレベーターの扉が開く音を感じ僕は回転椅子の向きを替え、鷹揚に微笑んでみせた。


「やあ、よく来たね。
 神の子にはお久しぶり。
 始めての人は始めまして。
 君達が来るのを心待ちにしてたよ」


さあさあさあ!
楽しい時間の始まりだ。


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