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突き抜ける青!
僕はあの詐欺師がお気に入りのサボりスポットである屋上に来ています!
さて、校舎裏にいる中継の参謀君!

…………。
下準備は完璧だ。
これで文句はないだろう?

さっすが参謀!
でもノリが悪なぁ。
モテないぞ?
って、君達はもてるんだったけ。
まぁいいや。
椎名さんはちゃんと転んでくれるかな?
そうしないと、全く意味ないからね。

さぁな。

おいおいおいおいおい!!
そんな事いうなよ!
君の事を信用してやってるんだぜ?
しかもさりげなく詐欺師の力添えもあったんだから、成功させてもらわないと。
でないと神の子からお仕置きがあるかも。
なんだっけ?
王者立海に敗北は許されない、だったけか。
そんな目標たててる以上ね。

テニスとは関係ない事だ。
俺が精市に何かされる言われはない。

まったく、本当につれないな。
紳士だってもうちょっと構ってくれるぞ?
おっと、噂をすればなんとやら。
彼女達が動き出したと紳士君から報告のメールだ。
ふふふふ、準備はいいかい?

ああ。

じゃあ、レッツパーティー!



「ん?どうしたんだい?黒豆君」

予定どうりに屋上に来た黒豆君に話しかける。
黒豆、に苦笑いしたけれど。
それでも諦めてようで何も言ってこなかった。
ほんと、いい人だよね。

「そういう霞ヶ丘こそなんでこんな所にいるんだ?
 ひょっとしてお前が俺を呼出したとか、そういう事なのか?」
「お呼出し?
 いやだなぁ、そんな物騒な事を僕がすると思うかい?
 僕は君の知るとうりに保健室登校。
 か弱い女の子さ。
 運動部で、男子である君に挑むほど馬鹿じゃないさ。
 それとも告白とかと思ってきたのかな。
 君も他の部員程ではなかろうがもてそうだもんね。
 苦労人だけど。
 そんな心持ちでここに来てそこに僕がいたら落ち込むよね。
 それを僕に言わないあたり優しいよ。
 苦労人だけど。
 しかしこの屋上には僕に意外にはいないんだ。
 残念な事にさ。
 遅刻かもしれないけど君は待って上げるんだろ?
 海のように深く、空のように寛容な心を持ってるからねー。
 苦労人だけど」
「おい」
「なんだい?」
「俺をそう苦労人苦労人連呼するなよ……」
「三回しか言ってないよ。
 しかし自分でも思ってるんじゃないのかい。
 苦労人だとさ」
「そう思ったら虚しいだろうよ」
「そっか。君がそう言うならそうなのかもしれないね。
 本当にごめんね?
 黒豆君が嫌な事を連呼してしまって。
 苦労人、とさ。
 しかし苦労人には苦労人なりの良い所はたくさんあるからさ。
 大丈夫。
 いつか苦労人も報われる時がくるさ!」
「そういいながら苦労人連呼するな!」
「ああぁ、本当に申し訳ない。
 これは死んでお詫びを……!!!!」

走って屋上の端っこまで行く。
勿論、椎名さん達が見える所にね。


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