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「言葉では通じないならば、真実を手っ取り早く見せちゃえば早いよね」
「簡単に言うな」
「えー、それを計算するのが参謀の役目じゃないか!
 それにある程度は恣意的にやってさ。
 椎名さんは転びやすいんだから穴かなんかほったり足場が悪い地形に呼び出してさ。
 それで久遠さんも呼び出す。
 転んだ所をなんと!
 はたまた呼出されていた……誰にしよっか?
 皇帝の次だから穏健派な黒豆君でいっか。
 黒豆君がたまたま!
 椎名さんが転び勘違いを起こすなんてばかげた流れを見てしまった!!
 何と言う事だろう!!……みたいな?」
「霞ヶ丘、それでは悪役だ」
「いいじゃん、悪役。
 カッコいいよね。
 それに僕は何もしてないじゃないか?
 穴はけれどはまったのは彼女自身。
 転びやすいのに気をつけないほうが悪い。
 ふふふふ、僕はちょっといらついてるから多少の手荒なマネぐらいやってあげるさ」
「だいたい人が転びたくて転ぶと思うか?
 無意識なんてそうそう簡単に計算はできない」
「君なら大丈夫さ参謀。
 て事でやるよ、やらせろ、やらせれば?つーかやろう、ね?」

神の子直伝の黒い笑みの攻撃!!
参謀の顔が一瞬引きつった!!!

「なんだその活用は……。
 はぁ……仕方無い。やればいいんだろう。
 まったく精市といい霞ヶ丘といい」
「俺がなんだって?蓮二?」

おお、神の子のお出ましではないか。
相変わらず麗しい。

「なんでもない、精市。では俺は退出しよう」
「ふふ、斎が世話をかけたみたいだね。
 蓮二、宜しく頼むよ」
「ああ」

で、参謀がいた場所に神の子が座った。

「精市君、精市君。
 ごめん、約束破っちゃった……」
「いいよ。ある程度は、覚悟してたしね。
 それにすぐに仲直りしたみたいだ。
 これはシンが言ったからだろ?」
「ん、まぁ……」
「だからいいんだ。
 時に喧嘩も必要だしね。
 だからそう落ち込むなよ、斎」

髪を梳いてくれてその心地よさに目を細める。
やっぱし彼は落ち着くな。

「僕、ちょっと思ってた事があるんだけど。
 何か可笑しい気がするんだよねー。
 その原因が事の真実からきてるし
 一部始終を見てるから一連の流れは嘘じゃない、はず。
 でも僕もなにか勘違いっていうか見落としてるような気がするだよね。
 そう、まるでエース君達と同じように。
 僕が見た事、聞いた事が全て正しくはない。
 そういう可能性は考慮にいれながらここまできてるけどそれでも何か足りない。
 ねぇ、……神の子は何か感じていないかい?」
「俺も、何かあり気がしなくはないけど。
 椎名さんが全て転んだとは限らない、とか?」
「それも考えてるけどさ。
 怪我の場所も不自然じゃないんだよ。
 そんなちんけな事じゃないと思うんだけど」
「好きなだけ調べればいいさ。納得がいくまでね。
 今までだってそうやってきただろ、斎」
「事態もそこまで進まなくて僕も焼きもち焼いてる所なんだ!!
 だから攻撃をしかけるけど。
 ふん、何かに操られてるようで気に入らない。
 操るのはこの僕だ!」

この物語りの主役で裏幕はこの僕だ。
僕の好きなように料理させてもらおう。
それでこその僕だろう。
たとえ誰にだって負けないさ。
僕の名に誓って、ね。
ふふふふふふふ――――


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