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「じゃあ、そう言う事でオッケー?」
「……あぁ」
父さんが意気消沈な面持ちで部屋から出て行った瞬間に僕は盛大に笑い出した。
僕のいきなりの行動だけれど慣れているのと、気持ちがわかるというのがあって誰もつっこまない。
「これで晴れて正式な恋人というわけだね!
ふふふ、父さんのあの取り乱しようといったら!!
これが霞ヶ丘のトップだとおもったら腹筋が崩壊してしまいそうだよ!
我が親ながら凄いよね。
キングも祭もお疲れ様。
そっちの親の説得はまかせていいかな?
うん、じゃあ宜しく頼むよ。
しっかりと説得してくれたまえ。
神の子も暫くは色々迷惑がかかるかもしれない。
マスコミとかには注意してね。あいつら節操無しだから。
それから家族にもきちんと、ね。
それから、そうだね。
クス、後ろからぐさりなんてないように気をつけて。
冗談だよ。
暗殺なんて何十年前の話だよって感じだ。
僕は幕末とかは好きだよ。
戦国は好きになれない。
色々と崩れ去ってしまうのが見ていて楽しい。
滅びる瞬間が一番綺麗だと僕は思うんだ。
あっけなさすぎて笑えてくる。
それでいてそれにすがる人も、新しく立てる人も。
無くなってしまった物を追いかけるのは馬鹿馬鹿しい。
作ったはいいけれどそれはいつか絶対に壊れるのに希望に満ちた目をするんだ。
笑っちゃうよね。
そうだ、君達はどの時代が好き?」
「ランの言葉には色々と反論すべき所はあるが、まぁ、俺様は明治だな。
あの時代が一番、人の心が活気づいてたからな」
「私は……今、が一番好きだなー」
「俺はそうだな、世界大戦やってるあたり。
絶対王政とか最高。
でも歴史上の奴らは馬鹿が多いからな」
「神の子はテニス部でそれを既に半ば達成しているじゃないか。
というか絶対王政って長く続かないよ?
霞ヶ丘を神の子も動かす事になるし軽く財政の世界は握ってると言ってもいいような。
まぁ、神の子なら滅ばすそうな愚かな事にはならなさそうだよね!」
むしろ僕と共にエデンの園を作り上げよう!なんてね!!
ま、僕は神の子さえいれば周りが地獄でも幸せだといってみせよう。
それぐらには惚れ込んでいるつもりだ。
とりあえず、適当なおしゃべりをした跡に神の子達から別れ。
自宅に戻り携帯電話をとり電話帳からある人物を選び電話をかけた。
「メールありがとう。
内容は読んだけれどはっきりしなかったから電話したんだけれど。
君の場合、わざとだろう?
僕の携帯なんか誰も覗かないと思うけど。
万が一ねぇ……。
ま、君の方がそこあたりは計算高いから好きにすれば良いさ。
計算高い人は嫌いじゃないよ?
敵には回したくないけれどね。
お互い様だって?ははは、まったくだ。
でも自然と気が合うからあまりそう言う人とは敵対しないな、僕は。
で、用事は何かな?
君には伝えてなかったがどうせ今日は僕がパーティーに出席してた事ぐらいお見通しだろう。
まったく、恐いね。
君は全て見通せてしまいそうなぐらいだよ。
もっとも僕はそんな事は思ってないけれど。
未来なんてわかんないもんねー。
だからこれは他の人からの言葉。
ん?駄目だよ。教えない。
誰がいったなんかなんて教えてあげる訳がないじゃないか。
悔しいなら自分の力で調べてみたらどうかな」
「……とにかく、明日の朝に保健室に行くからな。
情報を手に入れた。
霞ヶ丘は朝は重役出勤なんだろう?
保険室の先生はいないし、体調悪いとでっちあげよう。
三限はサボりになってしまうが。
柳生は文句いうな、必ず」
「だろうね。
彼は真面目な人だから。
しかし君の口からサボりなんて言葉が出るとは思わなかったよ」
「お前がいない間、たしかに事は進展しなかったがその分、ストレスが溜まってる奴が増えた」
「そうか。暴力沙汰は避けたいものだけれど。
事実をきちんと把握しないうちはなんともね。
でも、その情報で何か進展するだろう。
さぼってまで僕に知らせたいのだろう?
どんな方法を使って手に入れたかは少し興味があるけれど、いや、やめておこう。
知ったら試したくなりそうだからね。
癖になったらそれこそ最悪だ」
「俺の行為に難癖を付けたいのか、お前は」
「いやいやいや!!そんな事はないさ。
じゃあ、あした楽しみにしているよ。
参謀」
僕の声にああ、と答えた参謀は電話を切った。
さて、僕も寝るとしよう。強力な睡眠薬だから多用するなと言われているが今日は疲れたからね。
明日からまら学校にいくなら、寝ておかないと。
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