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霞ヶ丘 斎。
そろそろ、僕が何故不登校児であるのかを話さなければならない。
僕がみんなの事を知っていると言うのに君達が僕の事を知らないのはフェアではない。
そう思っていて幸いな事に。
不幸な事に。
その機会が巡ってきたのでこの際みんなに話しておいた方いいだろうから、語るとしよう。
霞ヶ丘という阿呆みたいな財閥のご令嬢で
親から受け継いだ遺伝子のおかげでなかなか見れる容姿を持ち
生徒会長を不登校でありながら成績が宜しいと言われやる実力を持つ。
一見なんの不備を持たない僕が何故、不登校なのか。
両親が愛人云々みたいなどこぞの漫画だ、という事情もなく。
過去にトラウマみたいな事故や事件に巻き込まれたのではなく。
そして一時期問題視されていたイジメにあっていたと言う訳ではない。
それは一貫して僕の体、引いては僕の精神に理由がある。
これは僕が私であった時代の話だ。
幸村精市と言う神の子と称される子がまだそう称されず。
王者と呼ばれるテニス部の部長にもなっていない頃の彼に出会う前の話だ。
そう、確かに僕は幸村精市という極々普通の家庭にそだった少年であった彼に大きく救われたと言っても過言ではなく。
それでもたりないぐらいだ。
今現在も救われているかたもう頭も上がらない。
何、といって聞くも涙、語るも涙な話しをするつもりはない。

と、僕はそう言って一旦口を閉じみんなの顔を見た。
神の子、参謀、詐欺師、紳士。
この四人を順に見た。
神の子は事情を知っているが同席すると言ってきたので参加。
ここは僕の根城ではない。
学校の保険室ではなく僕のマイルーム、馬鹿でかい僕が住むオクション。
先程、語る機会が語る機会が巡って来たのと言うのは僕が学校で倒れたからだ。
原因は睡眠不足。
そこから丸一日寝ていたので御陰様で体調はすこぶる良好だ。
そして心配して僕の見舞いに来た。
と言うのが現在の状況である。

「まぁ、だから軽い雑談で僕の人生の語るのを聞く程度の思ってくれ」

雑談に相応しいような明るい口調で僕はベットから上半身だけ上げて言葉を紡いだ。
彼らが神妙な面持ちでしかしだからと言って気負った様子でもなく頷く彼ら。

「さて、どこから語ろうか。
 そうだな。
 ここは始まりの始まり。
 つまり誕生から話してみようか」

その前に補足。
と言うか前提として話しておくべき霞ヶ丘と言う家について話しておこう。
霞ヶ丘と言う家がどのくらい大きな家なのか。
君達は霞ヶ丘と言う家の大きさ、巨大さを比べるべき対象として跡部君の家を思い出すだろう。
あそこの長男とは個人的な因縁があるけれどそれはおいおおい話すとして。
霞ヶ丘は跡部に並ぶ程の大きさの財閥だ、というのは若干誤りがある。
跡部は比較的最近頭角を表した家だ。
それに比べて霞ヶ丘は違う。明治から続く歴史ある家なんだよ。
だから跡部が霞ヶ丘に並ぶ程に大きくなった、というだけ。
そんな由緒正しき家の直系に産まれたのがこの僕、霞ヶ丘 斎なのさ。
そして双子だった。
つまり僕は双子の姉なのさ。
双子の僕の愛すべき妹の名前は霞ヶ丘 祭。
可憐で可愛らしい子だよ。
大きな財閥にはあるのだけれど、やはり後継者争いはかなり悲惨になると言うそういう教訓を生かして直系の子供は一人しか残さないんだ。
祭は直ぐに分家の方に養子となった。今は関係としては従兄にあたる。
まぁ、それならまだいいんだけれどね。
双子には不思議な縁があると言う話は聞いた事はないかい?
片方が傷を負うと

「片方も同じ痛みを感じるという話か?」
「そう、さすが参謀だ。物知りだね」

僕はある時、幼稚園から小学校低学年の間に怪我をしていないのに痛みを覚えるという現象に、しかもしょっちゅうだ。
そんな現象に疑問を持って独自に調べた。
無論、最初は病気かと思ったけれどしかしそんな事は全くなかったからね。
不思議だったのさ。
それでたどり着いたののが先程述べた現象である。
双子の妹の存在は知っていたけれどだからと言ってそんなに会わないからね。
祭がドジでしょっちゅう怪我を子だったとしてそれで僕が痛い思いをするのは割に会わない。
もしそうだったら文句を言ってやろうと同じ小学校にいた祭のクラスにこっそりとのぞきに言ったのさ。
そこで見た風景は実におぞましい風景であった。
リンチなんて生易しい物じゃないが、リンチとしか表現しようがないのでそういう言うが。
リンチを受けていた祭の姿を発見したのだ。
教師は祭が分家でも霞ヶ丘あると言う理由で祭を積極的にかばったがそもそも霞ヶ丘であると言う理由でイジメにあっていたのだ。

「イジメにはあったと言う話はしないっていっとたじゃろ」
「そう。僕はあってなかったさ。あったのは愛すべき双子の妹だ」

イジメは僕の家は、双子の片割れが僕を邪魔するような存在になるのが嫌で。
僕に媚売ってたので片割れが家を継ぐのが困るので本家に隠していたのだよ。


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