01


期末も無事終わり冬休みになってその三日後。
私達は合宿に行く為に朝早く立海の校門の前に集合していた。

「遅れてすいませーーん!」

遠方から赤也の声。
全力疾走でこちらに向かってくる。

「惜しい。あと一分遅れてきたら置いてく所だったよ」
「まったく、たるんどる!」
「今日の朝の支度は五分だな。
 バスの中で腹が減ったの騒ぎ出す確率九十%だ」
「切原君もいい加減学習すれば宜しいのに……」

朝、やっぱり電話すればよかったかな。
でもやりすぎると私を当てにするようになったら困るし。
世話を焼きすぎると甘やかし過ぎってみんなに言われる。
隣のハルは眠そうにとろんとした表情をしている。
相変わらず朝に弱いなー。
起きれるけれど、覚醒までにかなり時間が必要なのだ、ハルは。

「じゃ、乗るよ」

跡部さんが用意した無駄に高級なバスに乗り込む。

「うぉ、豪華すぎるだろぃ!」
「……悪趣味ぜよ」

因みに赤也は弦兄の隣で悲鳴を上げていた。
というか赤也の居る列を三強で固めている。
最後列に座った私はハルの隣。
ハルは既に寝る体制入っているので隣にいるヒロ先輩とおしゃべり。
前にいるジャッカル先輩と丸井先輩はうん、まぁ何時もと同じ感じ。
時折騒ぎすぎて怒られている。

「いつもの光景過ぎますね」
「えぇ。それにしても仁王君よく寝ていらっしゃる」
「早起き苦手ですから。人前で寝ないハルでもそんなのおかまいなしなんでしょう」
「それに舞さんが隣というのもあるのでしょうね」
「同じ屋根の下に住んでましたし、今更って感じですかね」
「舞さんも真田君に似てそういう所は鈍感ですね」
「そんな事ありませんよー」
「では仁王君限定で」
「……うるさくて寝れん」
「あ、ごめん」
「もうしわけない」
「ブンちゃんのせいじゃ。このデブン太め」
「仁王!何か言ったか!?」

おぉ、地獄耳。

「なーんにも言ってございませーん」
「わざとらしいぞこら!」
「後ろ、五月蝿いぞ!」

赤也が恨めしそうにこっちを見てる。
そろそろ変わってあげないと可哀想だな。

「弦兄、隣いい?」
「赤也がいる」
「だから変わって欲しいなぁって」
「舞は赤也に甘いな」
「そういうわけじゃないですよ、蓮二先輩」
「そうそう。赤也に限ってないしー」

ごめん、赤也。
無理そう。
この二人相手は無理。



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