01


どうやら蓮二先輩と仲直りできたみたいだ。
少し晴れやかな顔をしいている先輩を見てほっとする。
まだ問題は残ってるとはいえども、良かった。
結局これは本人達の問題で解決できるのは本人達次第なのだ。
よかった。
純粋に思える私に、少しほっとする。
過去、私は、世界を遮断していて何も思わないよう努めていた。
ハルが閉鎖的というのはそのせいだろう。
でも、人との関わりで、変わっていけた。
幸せに、なっていいのかと思ってしまう。

錯覚だとしても。

ああ、また卑屈になってしまった。
直らないとは思うけれど。

「……おい、真田の妹」

単純作業な仕事をこなしながら物思いに耽っていたら、ひっくい声で呼ばれた。
シュー、なんて独特な息の音に、これまた独特な呼び方。
嫌いじゃないけどね。真田の妹。
そういう家みたいな誰それの何、じゃなくて私は私なのよ!とは思わない。
いいじゃないか。それも私を構築する一部だ。
というかいちいち反応するなとも思う。
自意識過剰は駄目だ。
謙虚じゃなきゃいけないと個人的に思う。
まぁ、もっとも。その言葉とかけ離れてる人もいるけれど。

「なんですか?」

信者である貴方と個人的に話しかけてくれるとは思わなかった。

「乾先輩にテメェ、何をふきこんだ」
「何をって。彼は自分で選んだだけだと思うけれど」

それともあれか。足並みそろえてないとそんなに嫌か。日本人め。
君はそういうの嫌いそうだと思っていたけれど勘違いだったのか。

「私は蓮二先輩と仲直りするためのアドバイスをしただけ」

あぁ、そういえば谷岡さんが荒れてたっけ。
全員に好かれないと気がすまないと思うその精神はちょっとだけ尊敬する。
私にはできない。

「先輩が俺達から離れるようにするのがテメェのアドバイスか」

違うけれど、そう思ったならばしかたないだろう。
海堂くんは一番乾さんと関係が深かった記憶がある。
谷岡さんと乾さんの二人分、盲目になっているのだ。
何を言っても仕方無い気がする。



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