04


「所でさ、舞」

ふと真面目な顔をした精市先輩に首を傾げる。

「この合宿楽しかった?」
「楽しかったように見えました?」
「はは、そうだよね」
「まあ、でも、どうにかなりましたし、悪くなかったとは思ってます」
「悪くなかった、か。そうかぁ、うん。悪くないね」

何かに頷いて私の頭をぐしゃぐしゃと撫でる。
弦一郎と髪質似てると笑って満足した後、満足したらしく蓮二先輩の元へ行ってしまった。
何がしたったのだろう。
ぼさぼさになってしまった髪を整えるように撫でてるハル。
途中から髪をいじって遊び始めたのは気のせいではないだろう。
大人しくいじられる間、行ったり来たりでみんなが私を構ってさって行く。

「さっきからみんな何したいのか不明なんだけど」

立海だけではなく、他のみんなもやってくるものだからいよいよわからない。

「舞を構いかったたけじゃろ」

といいつつ編み込みをしてどこかか取り出したゴムで縛って、と色々している。
普段はおろしているか、適当に結んでるだけの適当人間では絶対にやらない髪型だ。
時々、母親にも女の子らしくしろって怒られるのだが生憎無精な娘なので仕方がない。

「無表情をからかって何が楽しいのかなー。
 赤也とかさ反応がいい人を選べばいいのに」
「あほ、そう言う問題じゃなか」

頭にチョップをくらった。あいて。

「今回の事でも思うんじゃが舞。もっと自信を持つべきぜよ」
「と、いいますと?」
「感じてるよりずっとみんな舞の事、好いとおよ」

髪の毛をアップにして満足したのか、正面にまわって出来映えを眺める。

「ん、かわい」
「ハルの方が女子力高くておねーさん困っちゃうよ」
「年下じゃろうが」

中身はそうでもなかったりするんだなこれが。

「ハル」
「ん?」
「わかってるよ」

じゃなきゃわざわざ楽しい夢からかえってこなかった。
帰ってきたのはハルとかみんながいるからで。
不安とかどうしても感じる時はある。
生きてるんだから仕方無い。
そういう生き物なのだ、私は。
でもそんな度に。

「愛しとうよ」

頬にキスされる。
こうして、不安にならないように一杯に愛情を注いでくれるから。

「ね……、ハル。そっちじゃなくて」
「珍しかね、舞が積極的なり」
「そういう気分なの」

私は幸せなのだろう。


end.



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