02


「舞は無表情が売りのクーデレじゃろ」
「やめて」

自分をカテゴリわけされるのは流石に嫌だ。
というかクーデレではない。断じて。

「舞が男前で雅君寂しい!」
「……ちょっと待って。テンション可笑しくない?」
「ちょっとしたおふざけなり。まあ、色々あってな」
「ふぅん?」

言わない時はたいてい、言い辛いか言いたくない時だ。
かつ今の私にそれを聞き出す程の重要性を感じないからスルー。

「前までは色々あって舞に構えんかったし、たっくさん構うてやろうって決めたん」
「構って欲しい、の間違えじゃなくて?」
「どーじゃろうな」

頭をコツリとつけられてクツリと笑うハル。
後ろから抱きつかれるのに慣れて過ぎてないと逆に落ち着かなくなってる私も大概言える立場ではないが。

「……そういえば、谷岡さんってハルに告白したの?」
「いや」

愛の囁き合いはともかく、身体的接触が多い私達だ。
傍目から見たらとんだバカップルなのだから仕方無いといえば仕方無い。
甘い空気にならないのが私達クオリティーである。
一部からニヤニヤとした視線を頂いてしまう。
とはいえ、そんなハルに告白するわけないか。
谷岡さんがハルを好きって言ったのもどこまで本気だったか私にはわからないし。

「なん?心配だったん?」
「いや。そんな事はない、かな」

何故だろうか。
不思議と立海のみんな、特にハルに関して変な心配はない。
この前まで生死の狭間?を軽く彷徨ってたくせに不思議なものだ。

「ねえ、ハル、好きだよ」
「いきなりどうしたん?」
「なんとなくね」
「俺も好きじゃよ」

口にできなかったらしいので、首筋あたりにキスされる。
息が当然あたるのでくすぐったい。

「休憩時間終わるよ」
「ん」

ふと離れた体温に振り返る。

「頑張れ」
「おう」




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