03


とりあえず、現状把握をしておこう。
それなりに動きがあるので定期的に纏め直してみると新たな発見が見つかる事がある。

合宿に来ているのは青学、立海、四天宝寺。
マネージャは私に、渡瀬先輩、谷岡さん。因みに、全員異世界?からの訪問者。とんだ奇跡だ。
問題は、この谷岡さんである。所謂逆ハー志願者。
いやぁこの逆ハーなんて言葉を前世の友人に教わった時はこんなふうな知識を使うとは思わなかった。
だいたい転生したんだとか思ったのも、それが漫画の世界で「トリップ」と言うのも。
全部が全部そのオタクな友人のおかげというか、せいというか。

……すっごく個人的には谷岡さんはなんら問題ないと思うのだ。
いや、だいぶ性格は独創的ではあるけれど。それでも全く仕事ができない子ってわけでもない。
みんなミーハーにだいぶ嫌な思いをさせられてきたから、過剰反応をしているだけで。
そこあたりが私と周囲との認識のズレがあるんだろうと感じる。

現状ではイジメがあるわけでも仕事をまぁ、しっかりではないがしている。
ただ近づこうとしているから、嫌悪をしめしてる。
練習をしないのは谷岡さんのせいっていうか自己責任だろう。これを全部彼女のせいにするのは間違ってる。
手塚さんが問題にしているのは練習をしないからという一点だろう。
追い出せないのも練習をしないのは自己責任だからそれを理由にはできないから。

「……というか、練習しない人を追い出せばいいのでは」
「おい。気持ちはわかるけど」

その人のお世話の為にとかいって谷岡さんがついていって。
彼女は自分に惚れてる人に囲まれて幸せだと思うのだが。

「手塚さんとも約束しちゃったし」
「破れば」
「いや、駄目でしょ、人として」

どっから手をつけよう。青学は乾さんが動くから暫くは静観でいいだろう。
内が動く以上、下手に外から手を加えたら変な事になりかねない。
なんだかんだ、考えが変わったのは乾さんぐらいなんだよな……。
いざこざばっかり増えてるし。
とりあえず部員内での触発を抑える為に練習時間が足りない事を自覚させる必要がある。
各個撃破しかないよな。

「……なんか物騒な事考えてるような気がするのが俺だけかの」
「気のせいだよ」

弦兄に何か言われたのだろうか。部屋につれてこさられ、後ろから抱き締められ、頭を撫でられ。
なんて事をしているハル。

「そろそろ寝るから放して」
「おう。お休み。無茶は禁物ぜよ?」

お見通しなんだから。



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