04


そんな感じで乾さんは蓮二先輩のもとへ。
上手く、和解できているといいな。
まだ考えが変えられずとも。
私と違って若いんだしいくらでも変えられるでしょ。
こんな年増になってくると考えがガチガチになっていけない。
私が変わる事を、ハル達は望んでいるのだろうか。
この脅迫概念ともいえる考え方を。
けれどそれを取り除いた時。
私には何が残るのだろう。
何も残らないかもしれない。
それが恐い。
そしてそんな私をみんなが愛してくれるなんてわから……。

「雅治ぅ〜〜!」

谷岡さんがハルに抱きつく。
練習中には邪魔だから止めたほうが。
鬱陶しそうにするハル。
でも邪見にすると信者とのいざこざがあるからな。
無駄な争いを起こしたくない姿勢のみんなは酷くは扱えないんだよな。
ハルが助けろと言わんばかりの視線を私によこす。
え……。
私に何をしろと。

「えっと、谷岡さん?」
「ん?何かな?舞ちゃん?」

あぁ、若干名前の呼び方が恐いよ。
遠い目。

「仕事終わったの?」
「終わったよぉ」
「そう?じゃ、次はこれお願いしていい?仕事は山ほどあるんだ」
「……わかったぁ。寂しいけど、じゃぁ、私は仕事行ってくるね」

ハル は 無言 を 貫 いた!
ただの屍のようである!!
うん。冗談だけど。
どこの夫婦の朝の風景だよ。
夫と妻逆だけど!
いや……最近はそんな事はないのかな?

ようやく消えた谷岡さんにぐったりして私にのしかかってくるハル。
いなしながら、そんな事を考えた。
谷岡さんに睨まれた時に、少しだけ感じた身体の痛みを紛らわせる為に。
嫉妬……とは違うと思うから。
わからない感情には蓋をしておきたくて。



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