02


氷帝はでかかった。
でかくて目立った。
学校なのに。
学校なのに。

職員の人に案内されて生徒会室に入ると妙に高級感溢れるソファーに偉そうに座っている跡部さんがいた。
そのそばには樺地君が控えている。

「よく来たな舞、仁王。
 まぁ、座れ。おい樺地」
「ウス」

紅茶を出す樺地君。
さすが跡部さん。いいお茶を持っているな。
これはオレンジペコか。

「精市先輩から、合宿の書類を預かってきました」
「ご苦労だったな。
 ここに来たついでだ。
 テニス部によっていかないか?
 渡瀬もいるから話す事もあるだろう」
「なんじゃ、渡瀬はここでもマネやっとるんか」
「あぁ。鳳やジローあたりが妙にお気に入りでな。
 悪い奴じゃないから好きにさせてる」
「悪い人ではないですよね、確かに」
「でも甘い奴だ」
「それも否定できませんね。どうする?ハル」
「それじゃあ行くか。
 少しぐらいなら幸村も何も言わんじゃろ」
「決まりだな。
 案内する。行くぞ樺地」
「ウス」

跡部さんの後ろをついて歩く。
しかし樺地君って本当にウス、しか言わないよね。
よく会話が成り立つ。
一方的に話すような人か、相手の意向を気にしない人だとできるのか、なるほど。

氷帝の施設はいちいち凄い。
テニスコートもそれは例外ではない。
ここまで揃える跡部さんの財力って改めて凄い。
立海の方が敷地面積は広いはずなのに、こっちの方が大きく感じる。
建物のせいなんだろう。
立海が錆びれているわけではないけれど。

「氷帝は相変わらず成金やの」
「一般市民もいるよ?」
「そんな感じがしないなり。どれもこれも跡部のせいじゃ」
「キングたる俺様に周りが染まるのは当然じゃねぇのか。
 もっとも……お前みたいな奴にはわからない感性だろうけれどな」
「あーあ。こんな奴がキングとはかわいそうじゃ。
 ふりまわされる奴の気もしれないで。
 しかもそれでも俺達には勝てないくせに」
「あーん?お前ごときにこの俺様が負けるかよ」
「お山の大将さんはよぉ吠える」
「言ったな!?コートに立て!
 俺様が直々に相手してやろーじゃねぇか!!」
「いいぜよ。受けて立つなり」

ちょっと、お二人さん!?
なんで売り言葉に買い言葉!?
何故に仲悪い。
ハルだっていちいち挑発なんてしない性格してるのに。
止める間もなくテニスコートに入っていってしまった。
取り残されたと思ったら、忍足さんの隣にいた渡瀬先輩と目があった。



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