04
そんなわけでハルの部屋でくつろぐ私。
私、ハル、ヒロ先輩で楽しく談笑。
今日は練習ない。
四天宝寺が大阪から来ているから疲れているだろうという配慮である。
迷子探しでゆっくり休めているかどうか謎だけど。
お互いに顔は知っている。
ので今日は各自適当に親睦を深めている事だろう。
「のお、舞達が飯を作るんやろ?
リクエストしてもええか?」
「駄目に決まっているでしょう。
仁王君だけが食べるわけじゃないんですから」
「なんでやぎゅが答えるんじゃ」
「少しぐらいなら構わないけど」
「全く舞さんは甘やかし過ぎです!」
「ところてん、作りましょうか?」
「……!」
「やぎゅの負けじゃの」
「私はいると言ってませんよ!」
「いらないんですか?」
「……いります、すいません」
「いいですよー、別に。
他の人の好物も作れば贔屓にもなりませんし」
「舞の手料理は久しぶりじゃ。
楽しみにしとるよ」
期待されても普通には作れるけれどそんなに上手くないよ?
というかなんでコック雇わないんだよ。
さて、そろそろ行かないとね。
他の二人がどれくらい料理ができるかでだいぶ違うからな。
二人に別れを告げて厨房へ。
渡瀬先輩が年上だから、彼女が仕切って料理しているんだけれど。
「……谷岡さんって料理初心者?」
「えっと、ごめんねぇ?」
上目使いされても困る。
人参の皮むきなのになぜにこんな悲惨な事に。
テレビ出演でも狙っているのか。
渡瀬先輩は一人暮らしだから普通に料理できている。
私もね。
前世とハルと二人暮らしの時を合わせればそれなりに料理やってる。
ハルはあれで料理、上手。
「じゃあ谷岡さんは皿洗いとかをお願いしてもらっていいかな?」
「え、あ、はい……」
嫌そうな顔。
少しは隠せよ。
大方手が荒れるのを気にしているのだろう。
なら何故マネになった。
あれか、誘われたからか?
「ならテーブルセッティングをお願いしていい?」
「あ、うん!!」
「先輩、彼女が苦手でしょう?
それにいても使えない人がいても邪魔です」
「厳しい意見だね……」
彼女が厨房から出てからの会話。
二人でかなりの量を作ったのでそれなりに大変だったけれど好評だったので、よしとしますか。
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