03


部屋割りが女である事でマネが三人とも同じ部屋であった。
吉とでるか凶とでるか。
こういう感じの典型パターン。
彼女に嫌われた時に変な事されて、とかなったらめんどくさすぎる。
相手にとってはめやすい環境だし。
それは反転して私にもと言う事にもなるけれど。
もっとも私は易々はめられない。
彼女もそんな事して成功した話なんて聞いた事ないんじゃないかな。
少しでも知恵が働く事を切に祈る。
因みに他のテニス部員は二人部屋だ。
だからこの部屋だけは他の部屋より広い。
それは嬉しいけれど谷岡さんの視線に耐えなきゃいけないと思うと気がめいる。

……ハルの所に行こうかな。

ハルはヒロ先輩と同じ部屋だったはず。
ダブルスは同じ部屋らしい。
それで弦兄は赤也と同じで、精市先輩と蓮二先輩は同じ部屋らしい。
本当、弦兄って赤也を可愛がってるよね。
赤也はげっそりだけど。
普段の行いのせいというか。
明日から目覚めは鉄拳制裁だろうな。
痛い毎朝だ。

廊下をふらふらと歩いていたら白石さんとばったり。
隣には千歳さん。
白石さんはともかく千歳さんとはほぼ初対面だ。

「おー、舞ちゃんやん」
「どうも、白石さん」
「たしか皇帝の……。皇帝の妹にしてはむぞらしか妹たい」
「確かにいかつくもないし身長、特に高いわけではありませんけれどね」
「一人でどげんしたと?」
「幼馴染みの所に行こうかと思いまして」
「あぁ、仁王君か。舞ちゃんは仁王君の幼馴染みでもあるんや」
「そりゃあ、めっずらしい縁もあったもんやねぇ」
「色々ありまして。もうお二人は支度は終わったのですか?」
「まぁな。ってこんな話してる場合やなかった。
 なぁ、舞ちゃん。金ちゃんみいひんかった?」
「いいえ。どうしたのですか?」
「迷子や。全く本当にどこに行ったんや、あのごんたくれは!」

ぶつぶつ文句を言いながら行ってしまう白石さん達。
大変そうだな。
まぁ、この二人が支度終わってるならハル達も終わってるだろ。
だれるハルの側にヒロ先輩がいるから。
ちょうど下着を持っている所に入られたくもないだろう、あの二人も。
お年頃だからね。



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