02


合宿場所は予想どうりに立派だった。
テニスコートが四面もあるし。
個人でそんなに持つってどんだけだよ。
普段使わないくせにもったいない。

どうやら到着は一番最後だったみたいだ。
青学、四天宝寺、氷帝がホールに集まっていて直ぐさま挨拶が始まった。
四天宝寺には知り合いも多いので頭を下げるとかなり大きな声で返事が返ってきた。
やめてくれー。弦兄に睨まれる。
跡部さんが咳払いして場を沈める。
それから部長達が挨拶して、跡部さんが諸注意に日程、などを言う。

「……まぁ、話はこれくらいだ。
 最後にマネの紹介だ。
 こっちこい」

聞いてないんですけれど。

ちらりと精市先輩をみるけれどニコニコしてるだけ。
これワザとだ。
ため息をついて前に出る。
渡瀬先輩も。
あと、見知らぬ女子。
化粧完璧。歩き方、視線の使い方が全部計算づくで気持ち悪い。
なんでこんな奴をマネにしたんだろう?
渡瀬先輩が言いよどんだのもわかる。
悪口とか苦手だからなー、先輩。

「えっとぉ、青学二年の谷岡 愛里です!
 一生懸命頑張りますので宜しくね」

にっこりと笑顔。
所々で頬を染める男ども。
笑っていいかな?
ちらりと立海のみんなをみるけれど、全員興味なし、か眉を潜める人ばっか。

渡瀬先輩も無難な挨拶をして私にマイクが回ってくる。

「立海の二年の真田舞です。
 知ってると思いますが皇帝の妹です。
 そこそこ頑張りますのでまぁ、よろしくお願いします」

赤也から突っ込みの声が上がるけど無視。
だって今更じゃん。
ちらりと谷岡さんを見たらびっくりした顔で私を見ていて内心、首をかしげた。
どこに驚く事があるのだろう?

うーん。
でもこの人、変な感覚がする。
そう、それはまるで渡瀬先輩みたいな……。
え?まさかのまさか?
この世界は何人の異邦人を抱えれば気が済むわけ?
渡瀬先輩は無害だったけれどこの人はそうはいかなさそうで。
波乱の予感って奴か。
要チェック、だな。
何もなければいいけれど。




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