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文化祭二日目。

「あの、本気でこれ、着なきゃ駄目ですか?」
「当然だろぃ」
「何故、しかもサイズがぴったりなんですか」
「俺のデータに狂いはない」
「諦めよう、舞ちゃん」
「渡瀬先輩……」

喫茶店って事で皆、ウエイトレスの格好をしている。
のに、なんで。

「メイド服なんですか」
「ん?女子のウエイトレスならこっちの方が人気出るだろう」
「精市先輩、なら皆だって執事とかの格好で」
「学校でそんな格好の喫茶が許可出るわけないだろう?」
「なら、これだって」
「男子は無理だけどそれならギリギリセーフだよ」

基準が解りませんが!!

「とりあえず黙って着ろよ。
 手作りなんだから、ジャッカルの」

チラリとジャッカル先輩を見ると視線をそらされた。
しかも心なしか、赤い。

「でも二人とも結構いい体系してるよね。
 スリーサイズ聞いてびっくりしたよ。
 運動してるからかな?」
「ちょっと、幸村君そんな事なんで覚えるの!?わ、忘れてよ!」
「フフ、ちょっと無理な相談かな」

あー、はい。
着ればいいんですよね、着れば。
仕方無い。
精市先輩が言い出したらそれが覆る事はないんだし。
 
「え、ちょっと!」
「はい?」
「はい?じゃなくてなんで着替えだすの!?皆いるのに!」

あ、ジャッカル先輩、ブン太先輩と赤也が真っ赤になって部室から駆け出て行った。
ヒロ先輩と蓮二先輩は早足って感じ。
おー、若い若い。
そっか、すっかり忘れてた。
みんな思春期なんだよね。
私は、うん。
そんな青臭い時期は……あったか?
昔からそんな気にしてなかったような。
だからハルに無防備だ言われるのだろうか。
今更直らないよ、この性格はさ。
その前にみんなが慣れるような気がする。



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