01


お昼休み。
お弁当を食べながら目の前にいる綾菜とおしゃべり。
綾菜が後ろの席だから私が振り返って彼女の席で食べている形だ。
本日はとてもいい日本晴れでもしかしたらハルは屋上にいるかもしれない。

「舞って最近、切原君と急に仲良くなったよね。どうして?」
「うーん、お世話したからかな。英語の」
「もう既に英語、ダメダメだからねー」
「感動を覚えるぐらいね」
「でも舞と仲良くしてるのはむかつくな。せっかく私が目をつけた子なのに。
 いじめてあげよっかな〜」
「ほどほどにね」
「止めないんだ」
「説得するの大変そう」
「見た目真面目なのにけっこう淡白よね、あんた」
「綾菜程じゃないと思う」

確かに!と笑う綾菜。
自覚あるからたちが悪いんだよね。
笑えて済ませる位の悪戯だから嫌われないし。
要領が言いと言うかなんというか。

「ごちそうさま。じゃあね」
「うん」

食べ終えて私は席を立ってクラスをでる。
友人なんだから一緒にいればいいと思う人もいるかもしれない。
でも、私達はこれでいい。
お互いの行動を束縛しないしいつでも傍にいる仲良しこよしもしない。
適当な距離感。
傍にいたい時だけ傍にいればいい。

そのまま屋上への道を歩く。
階段を上がる途中で変装をといて。
ゴムはポケットの中、眼鏡はブラウスのポケット。
ハルがいたらまずいからね。
扉を開けると夏の匂いをのせた初夏らしい少し爽やかな空気に包まれる。

「ん、気持ちい……」

屋上を見渡すと銀色にきらっと光る髪を発見。

「ハ〜〜ル」

寝転がってるハルの顔を覗き込む。
ビクッと反応すると、ああ、お前さんか、と呟く。

「寝ぼけてたの?」
「ああ」

……?

「ハルは相変わらず屋上にいるんだ」
「何時もの事じゃろ」
「……。あんた、誰?」

おかしい。
ハルがこんな答え方はしない。

「誰ってお前さんの目は節穴か」
「私がハルの事間違えるわけないじゃない、ですか。
 最初の答えだって、ハルなら眠気が俺を呼んでたーとか言うし、少なくても、単純に肯定しません。
 屋上にいるのが何時もの事?
 私はハルに中学まで屋上に入り浸ってるなんて話聞いた事ないですよ。
 予想はしてましたけど。
 ねぇ、ハルからこれは聞いた事ありますよ。柳生先輩?」
「ばれてしまいましたか……。仁王君に何を言われるやら」

急に雰囲気が変わる。
なるほど、これが例の入れ替わりか。



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