01


「春の麗らかな……」

以下略。
まともに聞いてません。
二回目だから。
緊張もしてない。
真面目に聞いてるふりはしてるけど。
今私は入学式に参加している。
格好は背中まで伸びた髪をツインテールにして伊達眼鏡。
ちょっと地味な優等生。
変装してないなんて突っ込まれてもしかたないがこれも考えてなのだ。
あまりやりすぎると性格と見た目の差に違和感が出てしまう。
私はハル程にペテンの技を極めてない。
それに自宅付近では変装はとくし、登校時も変装はできない。
派手なのは私には無理がある。
真面目ちゃんそれもやりすぎるとかえって地味になりすぎてなって目立つ。
それらを考慮してこんな感じ。
何事もほどほどが重要なのだ。

私のクラスは一年C組。
席は窓から三列目の後ろから二番目。
まあまあ、と言った所か。

周りは友人を作る為に周りの席の人に話しかけたり緊張して、席でじっとしてたりと様々。
私は本を読む。
読書は好きだ。
友人は作れる時は作れるし作れない時は作れないのだから慌てる必要もなかろう。
一人も苦ではない。
そんな感じで気にせず本を読んでいた時、隣で右隣ガタンと音がした。
隣の席の子が座ったのだろう。
それで注意がそちらに向いて視線が隣に向く。

そこにはワカメがいらしゃった。

「か」と「さ」だから可能性としては隣になってもおかしく無いわけで。
偶然だろう。
切原赤也が隣でも。
私には関係ない。

「……よお」
「初めまして」

視線が合ったから挨拶だけして視線を文字に戻す。
ま、所詮こんな物だ。



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