01


これは私がハルと恋人となったと、学校中に広まった後の話しだった気がする。

中三とはいえ内部進学で余裕のあるハル達が部活に参加していて。
私もいつもどうりマネとして部長の補佐をしながら走り回っていた。

「その時の部長って確か四連覇をなしとげた切原さんって人かの?」
「そうだね」
「遅刻魔って聞いたけど」
「うん。でも中三になったらだいぶ減ったけどね」

ハルは昔からサボリが多くていつの間にかいなくなったハルを探しに行ったのだ。
おおかた、校舎裏か、部室の裏あたりだと思って。
予想どうりに校舎裏にいたんだけど。

「だけど?」
「他の女子とキスしてた。正しくはされてた」
「おぉ、修羅場」
「で、母さんはどうしたん?」

二人が気づいたみたいで。
その女子は私に捨て台詞言って逃げ出してハルは慌てて弁解してた。
私はたいして怒ってもなかったから、戻りなよ、って言ったら私が本気で怒ってると勘違いしてさ。

「そりゃ、焦るぜよ。
 普通に返されたらそれはそれで怖いナリ」 
「んー……ま、そうだね」
「お母さん、本気で嫉妬しなかったの?」
「……どうだろうね」
「えー、そこで誤魔化さないでよ」

しなかったと言えば嘘かもしれない。
少なくても驚いたし、ショックもあった。
けれどそれでも本気でと言うまででもなくて。
本当にショックなのはその後真剣に悩んだハルが数日まともに口をきいてくれなかった事。



戻る
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -