01
今、私は大阪にいる。
百合さんを訪ねにだ。
ハルは全国があったから途中からくる予定。
ただ、ハルが来るまで暇潰しとして観光していたのだけれどほとんどの場所は観光してしまった。
よってかなり暇な状況だ。
暇潰しに散歩をしているのだがやっぱり大阪はかなり賑やかだ。
東京とはまた違う活気がある。
近くに四天宝寺中があるみたいで幾度か未来のレギュラー陣を見かけた事はある。
もちろん話かける事なんかしないけど。
「……あれ、遠山金太郎じゃん」
前方にヒョウ柄のシャツを着てランドセルを背負った子供。
そっか、まだ小学生なんだよね。
というか迷子になってるような。
異常にキョロキョロしてるし時々、「白石ー!!」なんて言ってるし。
ま、大丈夫だろう。
遠山君だし。
白石さんと知り合いなら問題もなさそう。
「あ」
「……」
まずい、視線があった。
おい来るな。
「なぁ、姉ちゃん。白石知らん?」
まず、普通はいきなり人名だされてもわからない。
有名人ではない限りね。
テニス界の間では有名かもしれないけどテニスに関わらないで生きている人もいる。
常識をわきまえて質問して欲しい。
「どんな人?」
「んー、背ぇ高くてな、手に包帯巻いてんねん!
で、エクスタシーて叫ぶんや!!」
最後の説明は変質者に聞こえるな。
白石さんだってテニス以外ではエクスタシー連呼しないだろうに。
と言うかテンション高いな。
子供のテンションはちょっと苦手。
「悪いけど知らないよ。
連絡先とか迷子になった時の集合場所とかはないの?」
「あったかもしれないけど忘れてしもうたんや。
なぁ、姉ちゃん。探すの手伝ってぇなぁ!」
暇だから別にいいけどこの子とずっといるのはちょっとな。
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