01


ハルに起こされたのはかなり朝早くで。
まだ日が上りきってないような時の事だった。
起きた私を確認して着替えんしゃい、と言って部屋を出て行く。

リビンに出ると朝食が出来上がっていた。
いつもと変わらない雑談をしながら朝食をとった。

「ちょっと散歩でもせんか?」

ハルに散歩をする習慣はない。
だったらこれはハルの用事なのだろう。
何故、こんな朝早くなのかは知らない。
ハルなりに理由があるのだろう。
私は頷い少し先を歩くハルに大人しく従ってついて行く。

ついたのは、公園だった。

「ここ……」
「覚えとるか?」

私が始めてハルと出会った公園。
まだハルが人を信じられていなかった頃。
私が誘拐されてたどり着いた所。

「うん、覚えてる」
「そか。良かった」

ハルはあの時に座っていたブランコに座る。
ただ、あの時とちがって小さくて
足を伸ばさないと座れなかったけれど。
私はブランコの周りにある柵に座るってハルと向き合う。

「舞は始めて俺とした会話も覚えとるか?」
「覚えてる」
「この髪のせいで拒絶されてた俺にむかって。
 月みたいだとか雪原みたいだとか言われた時は本当に嬉しかったぜよ。
 それでも俺は月とか雪原が輝くのは太陽がないといかんってそう言った」
「でも、周りの力を自分の力にできるのも立派な強さだよ」

あの時と同じ台詞を言うとハルは優しく目を細めた。



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