01


内藤君はその翌日クラスに訪れた。
隣でニヤニヤ笑っている綾菜が正直にうっとうしい。
どいやら自分でやっておきながら気が動転していたらしい。
だから逃げたそうで。

「あの、ゴメン」
「別にいいよ」
「でも諦める気はないから!」

爽やかに去る内藤君。
きちんと謝ってくれたあたり好感は持てるけどね。

「ふぅーん、内藤って舞が好きだったんだ」
「友達?」
「ちげぇ」

赤也が机に突っ伏して嫌そうに眉を潜める。
なんでもあの爽やかさが気に入らないらしい。

「爽やかなら氷帝の宍戸さんとかもいるじゃん」
「宍戸さんは爽やかすぎて逆に清々しいからあんま気になんねー」

そういう物なのか。

「にしても暑くなってきたな」
「夏だからね。
 水分補給はこまめにしなよ?」
「おう」

さて、今日もはりきって部活に行きますか。

「俺、掃除当番だから」
「うん、伝えとく」
「あーあ。これが部活である事の悲しさだよなぁ」
「しょうがないよ。
 ところで、期末に補習にひっかかると関東の最後の方の試合に出れなくなるから気をつけなよ」
「はぁぁぁぁ!?」
「蓮二先輩情報。まぁ決勝は大丈夫らしいけど」
「どうにかなんねーの?試合に出るからとか言って」
「そう言う贔屓はないでしょ。学生は勉強する為に学校に来てるし」

悲しきかな、学生の性。
けど学生は勉強主体だ、あくまで。
部活一色で忘れないように。

「頑張ればひっからないよ。
 英語の前日は私の家に泊まり込みで勉強しようね。
 弦兄と私でしっかりとサポートしてあげる」
「地獄だ……」

立海って私立校だからね。
大学まであるけど、あまりにも悪かったら高校とかで進学できない。
それ以前に学校に入れてもらえるかどうか。
内部進学は外部よりはかなり甘いけど。



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