01
年が明けて。
寒さも和らぎ桜がが咲き始めた頃。
私は二年生と進学した。
最終学年となったハル達は大事な年となる。
だから。
その大事を達成する為に。
私は大きなズルと言ってもいいような事をこっそりと始めたのだ。
原作を壊すため。
異世界で異端だから知る原作。
主人公の技を対処する方法を練習メニューに解らないようにいれているのだ。
「オリジナルの技を作った方が良いと思う」
「オリジナルねぇ。
イリュージョンで色々な技を会得しとるからいらん気がするんじゃが」
ハルはイリュージョンを会得する為に様々なプレースタイルを網羅している。
だからイリュージョンを使わないとオールラウンダーとはまた少し違うプレイスタイルになっている。
基本的にはオールラウンダーだけれども。
イリュージョンの利点は色々と上げる事はできる。
逆に欠点としては相手の選手をまねる事で自身の能力を縛ってしまう。
それを補う為に。
関東はいいとして全国の為に。
天才不二を倒す為には必要になる。
漫画内の「仁王雅治」はオリジナルの技を使わなかった。
もしかして本気じゃないのかもしれない。
詐欺師は本気にはならない。
手の内を見せない為に。
「考えとく」
「そうして。
ほらブン太先輩達とダブルスの試合があるでしょ。
ヒロ先輩が待ってるよ。早くブン太先輩達はシンクロを会得して欲しいし」
「ん」
以前、一回だけその状態になった事がある。
それはハル達との真剣勝負の時だった。
以来ウンともスンとも言わなくてもう一回この試合を設けたのだ。
ハル達の試合を見つつ周りの練習を見る。
みんな日々着実に強くなっている。
絶対、大丈夫だ。
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