04


あの後、桑原、じゃなくてジャッカル先輩の手によって髪を整えてもらった。
今までそれなりの長さがあったから凄く軽くなった。

ジャッカル先輩の呼び方については桑原と呼び慣れていないから名前で呼べっていわれて。
それに便乗した他の皆も気づけば名前呼びが強制になってしまった。

気をたくさん使われてしまったのだと思う。

それでも現状は変わらないけれど……。

精市先輩が話し合いの場を設けてくれる事になった。
いつかは秘密だそうだけど。

その間はマネは休めと言われて。

綾菜や、家族には髪を急に切ってしまった事は適当に誤摩化した。


そして、海原祭が開始された。

「舞!そこの景品取ってくれ!」
「うん」
「おっし、これで最後だな」

赤也(君を外す事を強制された)が教室内を見て呟く。
大分繁盛してかなり忙しかった。

「あ、部長から伝言を預かったてたんだ」
「精市先輩から?」
「そう。四時に屋上だとよー」

今の時間。
三時五十二分。

「赤也……」
「ワリッ!さっさと行け!」
「もう!」

走れば間に合うか。何か合ったら赤也のせいにしよう。
黒魔術は勘弁だ。
屋上は文化祭でもいつもと何ら変わりのない風景で少し寂しくなった。

『このまま、続けばいいね』
『じゃな』

そんな会話をしたのはもう遥か過去のようなそんな気がする。

永遠なんて全くなくて。
刹那、刹那、変わっていく。

それでも永遠を願ってしまうのは愚かなのだろうか。

運命を。
必然を。
信じる事は愚かなのだろうか。

もしそうだとしても。
そうだとしたなら。

「私は偶然を信じたいよ……」

生まれ変わった事

彼に出会った事

大切な仲間に出会った事

全部、偶然だと言うならば。

私は偶然を求める愚者でありたい。

「なら、俺は偶然を引き起こせる奴になりたいのぉ」

ハルが、屋上に繋がる階段から
ゆっくりと現れた。



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