03


前世の時。
「両親」は生まれた時にすぐに死んだ。
事故なのか、自殺なのか知らないけれどおそらく後者じゃないかと思っている。

私は母親との誤りからうまれた子供だから。
ようするに不倫の相手との子供。

すぐに死んだ両親の代わりに誰が私を引きとるのかだいぶもめたみたいだ。
これも推測だけれど親戚たちの会話を聞いているとたぶんそう。

それで私を引きとる事になった伯父たちは大分悩んだのだろう。
子供に罪がないとはいえ。
不浄の子供で、そのせいで「両親」は死んでしまった。
だから私をどうあつかっていいのか困っていた。
頭は解っていたけれど心が追いつかない。
私にあたらなかっただけ、大人だったのだろう。
伯父さんと何かあった訳であないけれど
いずらかったのは、そのせい。

その雰囲気は嫌でも周りに影響して周りの視線は何時も気持ち悪かった。

最初は何か解らなかったけれど噂話を聞いて知った。

納得もいった。
私が元気に育てば育つほど。
笑えば笑うほど。
伯父さんたちはなんとも言えない顔をしていたのが。

そして、ある日親戚同士の集まりでの会話。

『あの子が幸せになるなんて報われないでしょうね』

誰が報われないのか。
「両親」?
伯父さんたち?
たぶんどっちも。

育ててくれたのは伯父さん達で見た事のない「両親」より大切な存在。

私は幸せになってはいけない。
それがみんなの幸せ。

それがゆっくりとだが確実に私の根本に染み付いていった。

存在が罪と言うのならば私は幸せにはならない。

その代わり。
せめて私の大切な人は幸せであって欲しい。
それだけを祈る事だけは許して欲しい。

そしてそれが私の行動原理となった。

それと共に

「幸せになる」

とか

「幸せになって欲しい」

という言葉は私の中で禁忌となった。

だって、私は忌むべき子供なのだから。



戻る
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -