04


切原赤也side

真田舞。

俺のクラスメイトだ。
俺がコイツに引きつけられるの理由。

雰囲気だ。

地味な格好をしているが隠すのにはもったいない容姿をしている。
しかしそんな事よりそっちに目が行く。
まず、大人っぽい。
歳不相応な艶があるとかではなく、何処か犯しがたい気品で凛としている。
なのに話しかけると意外と気さくだし、面倒見もいい。
優等生ぶってるのにちょいちょい平気でさぼったり先生をだましたり。

変な奴。

でも頼りがいがある。

同級生でしかも女子なのにそんな感想を持っているなんて知られたら先輩達にはからかわれそうだけれど。
今日の氷帝の練習試合を見学だった。
レギュラーじゃないから参加はできないので体力が有り余り、その後に丸井先輩とゲーセンにいってその帰り。
かなり遅くなって早く帰らなければと焦っている時に見慣れた背中を見て声をかけた。
それでゆるゆると振り返った舞に俺は思わず眉をひそめた。

瞳が虚ろだった。

焦点があってない。
無表情はのは何時もの事だけど、今はなんか感情の全てを落としてきたような。

「おい、舞。何があった」
「なにもないよ」

返事がちゃんと返ってきたのには驚いたが
それが良い事なのかよく判らない。
変に正気を保っているほうが……。

「こんな時間に何してる?」
「それは赤也君こそ」
「俺は帰る途中だ。お前はそんな荷物を持って、家出か?」
「みたいなものかな」

まるで捨て猫みたいだ。
路頭を彷徨っているみたいな。

「じゃあ、俺の家にこいよ。普段世話になってるお礼にな」
「いいの?」

このまま見捨てたら、どっかに消えて死んでしましそうな予感がした。
だから俺は問答無用に舞の手を掴んで歩き出した。





戻る
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -