03


最近お兄様がテニスに目覚めた。
おお、遂にって感じだ。
たるんどる、も時間の問題だな。

テニスの王子様、しかもキャラの妹に生まれた私。
生前?でかなりはまって友達ときゃいきゃい話してた。
しかも私は立海びいきだったし。
だから嬉しい状況だ。
と言っても逆ハーは目指すつもりはない。
仲良くはしたいけど。
ファンクラブ怖いし。

などなど色々考えて、とりあえず自然体でいようと思う。
すでに漫画の中のキャラと見れないし。
お兄様がお兄様だから関わりもその内できるだろう。

と、言う事で。

「私もテニスやりたい!」

ここにいるならやりたい。
目指すぜ、最強!
冗談だけど。
というか殺人テニスが自分でもできたらすごいなー、とかそんなレベル。
あり得ないだろ、あのテニス。
どんだけだよ。
テニスって紳士的なスポーツなはずなのに。
……あ、柳生思い出した。
母さん達を説得してお兄様と共にテニスクラブに通う事に許可をしてくれた。
お父さんがちょっと渋ってたけど。

私は両親がいなかったからこの二人を親と認めるのに苦労はしなかった。
大和撫子で良妻賢母なお母さん。
堅物だけど落ち着いた雰囲気を持つお父さん。
どっちも大好き。

「舞もテニスが好きになったのね」
「お兄様がたのしそうにやってるから」
「やるからにはきちんとやれよ」
「もちろんだよ、お父さん」

テニススクールへはお兄様と手をつないでお母さんと通ってる。
お兄様とは仲良し兄妹でとおってる。
お兄様は面倒見がいいし、優しいからブラコンになっちゃいそうなぐらい大好き。
そして肝心のテニスの腕はめきめきと成長している。
流石未来の皇帝陛下。

「いっしょにやろう」
「うん」
「てかげんはせんぞ!」
「きょうはかつからね」

一回は必ず白熱した試合をくりひろげる。
勝率は半々。
サーブの打つ音に私は反射的に駆け出した。



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