02


体を揺すられる感覚。

「……おきろ」

重たい瞼を必死こいて開けると視界には麗しいお兄様のお顔が。

……どうやら、懐かしい夢を見ていたみたいだ。
説明すると私は助かったわけではなくあの後、気づいたら赤ん坊になっていた。
流石にパニックになったが、自他共に認めるマイペースな私。

どうにかなると考えるのを放棄した。

数日後、落ち着いて考えて私は所謂、転生をしたみたいだという結論にいたったのだ。

輪廻転生。
仏教の教えの一つだけど、まったく信じてないのに驚きだ。
しかしそれ以上に驚いたのは。

「そんなところにいたらかぜをひくぞ」
「はーい」

そう。何を隠そうおこの兄様。
真田弦一郎なのだ。

テニスの王子様

立海の三強の一人。
老け顔と周りに言われまくるお方だ。
現在、彼は5歳。
将来老け顔言われるけど今はまだ年相応で可愛い。

因に私はその一つ下の4歳。
子育ての羞恥心(授乳とかおむつとか)に耐えて。
それでようやく一人で色々できるようになった時は感動を覚えたものだ。

「どうした」
「なんでもないよ」
「夕しょくができてるぞ」

さっきからまだ幼いからひらがな発音でなんというか……。
オタクな友達が言ってた萌えとはこう言う事なのだろうと理解できた瞬間だ。

真田家は立派な日本家屋で。
その縁側でのんびりしていたらいつの間にか眠ってしまったようだ。
幼児は嫌でも睡眠時間がたくさん必要になる。

さて、せっかく起こしてくれたんだ。
お兄様の手を握って共に居間へ歩きだした。


真田舞
二度目の人生を謳歌してます。



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