02


そんな会話をした翌年。
ハルは宣言とおり立海に進学した。
さっそくテニス部に入って、レベルの高さに満喫してるみたいだ。
柳生とダブルスを組んだ事、三強の事。
色々話してくれた。
弦兄(直した)の事を聞いて少しチクリとしたけど。

「それにしても良かったね」
「何がぜよ」
「認めてくれる人達に会えてさ」
「……そうじゃな」

そう。何よりハルが満喫できるのは仲間ができた事だ。

「来年は舞も立海にきんしゃい」
「考えとく」

立海に行く。
そうしたらきっと弦兄と再開する事となる。
私は未だ会う覚悟ができてない。
ずるずると結論を出すのを引きずってこんな歳になってしまった。

「……」

ハルが首を傾げた。

「舞、明日は小学校、休みじゃったよな」
「うん。それが?」
「何でもなか」

で、翌日。
……企んだな、ハル。

「雅治がお弁当を忘れて行っちゃたみたいなの」

困ったようにする百合さん。
違います百合さん。
わざとです、それ。
私が学校がないからだ。
昨日の質問はそう言う意味か。

「財布も持っててないのよ」
「……」
「私も届けてる暇はないの」

えと、百合さん。
貴方も共犯じゃないんですか?と思わず言ってしまいそう。

「本当、どうしましょうね」
「……私が届けましょうか?」
「あら、ありがとう」

日本人だから空気が読めてしまうんです。
そして無視できない。仕方無いから行ってきます。
いざ、立海へ。

道に迷うとかの愚行は私は犯したくないから
しっかり下調べしてから、ね。



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